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第21話 進化だ新たな姿に~~スキル確認もしないと~~


 殻を破り、その中から二人は現れた。

 そうして、周りを見渡すジョージとミリカ達。



「あ~~進化したのか?」


「どうやらそう見たい!」


 進化した自分達の様子を確かめようと、ジョージとミリカ達はステータスと念じる。



「で、俺はなんになったんだ?」


 『ステータス確認、ジョージ、ハイゾンビ』


 頭の中で念じて、自分の種族の名前を見たジョージは、自身の進化を知った。



「あ~~? どうやら俺はハイゾンビになったみたいだ」


「ジョージ、なんか体つきが大人びたもんね」


 ハイゾンビと化したジョージ。

 その姿を見て、思い付いたミリカの感想は悪くなかった。



「お、そうか」


「うんっ! なんか前より体が大きくなっているよ? いわゆる細マッチョになってる」


 ジョージは鏡が無いので、自身の容姿がよく分からないが。

 腕を見ると確かに引き締まったのが理解出来た。

 それを見た、ミリカは子供のように喜ぶ。



「んーー? そう言われると、なんか筋肉がついた気がするな? それに力もみなぎるぞ」


 ジョージの体はミリカの言う通り、元々の傷等はそのままだが。

 筋肉は盛り上がり、非常に引き締まった体になっていた。



「て言うか、ミリカお前もなんつーか色気がついたな?」


「はあぁーーなに言ってんの?」


 ジョージは、イヤらしい意味で言った訳ではないが。

 そう言う意味だと受け取ったミリカは。



『バチん』


「うげっ!」


 ミリカは両手を頬に当てて恥ずかしがりながら、ジョージの頬を強くはたく。



「他にはぁ?」


「はあっ!?」


 ミリカは急にジョージの方に詰め寄る。

 その行為に威圧された彼は何も言えない。



「他には?」


 ミリカは腰からレイピアを引き抜き、切っ先をジョージの眉間に突きつける。



「他にはないの? キレイになったとか美しいって言葉はさぁ~~」


 ミリカは目を細め、ジョージに怪しく微笑みながら、蛇のように睨み付ける。



「あっいや? ほら、あれが・・・」


「あれってぇ~~何っ!」


 ミリカは最初は優しく話し、最後の何っは声色を変えて脅すように言った。



「あれだっ! あれっ? つっ爪が赤くキレイになった」


 ジョージの言う通り、ミリカの爪は伸びて、赤紫色に染まり鋭く尖っていた。



「ふぅ~~ん、それで?」


「えっ? 後は背が高くなって、牙が長くなって、更にヴァンパイアぽくなった」


 それでと、更に詰め寄るミリカに対して、ジョージは取り合えず見たままを話す。



「それって、可愛いってことぉ?」


 ミリカは、ジョージに顔を近づけて息をふぅっと吹き掛ける。

 すると、ジョージは良い香りがすると思った。



「持っと、持~~とっ誉めて♥」


 甘えて媚びるような声で呟くミリカ。

 その真っ赤な頬を見た、ジョージは兎に角また見たままを喋る。



「うぅ~~ん、そのふっくらとした唇、前より赤くふっくらしてる」


「ふぅ~~んまぁ、及第点ってことね?」


 ミリカの体と容姿もまた、進化によって、スタイルが大幅に変化していた。


 丸くて愛らしかった顔はふっくらとした感じを残しつつ、多少シャープな顔になり。

 元々、細身だった体は、身長は伸びつつ体型は細見だがムッチリとした質感になり。

 バストやヒップも引き締まりつつも大きくなる。

 髪の毛はよりつややかになり。

 彼女は、大人の女性と無垢な少女の中間のような姿となっていた。


 二人共、容姿は高校生の年齢に見られるくらい背が伸びて、体は大きくなっていた。

 そして、並みの人間より体力も魔力も上がっていた。



「ミリカ、お前は何に進化したんだ?」


「んっ! ステータス確認、ヴァンパイアガールだって」 


 ジョージは、ミリカに種族名を確認するように聞くと、彼女は早速調べてみる。



「そうかお前も、より上位のアンデッドに進化したんだよな? あっ! そういや? スキルの事をすっかり忘れていたわ」


 ジョージは突然、スキルの事を思い出す。

 そして、彼はステータスと念じて調べ始めた。



「そうよっ! スキルも確認しないとっ」


 ミリカも慌ててスキル確認をする。


 ステータス、感染血液。

 このスキルは噛まれて絶命した者。

 体が傷つき重度の負傷を負った者。


 これ等の人間をアンデッドに変える能力を持つ。


 アンデッドとなった者は自らの忠実なる部下にできる。

 更に噛まれた者は、数分立つと噛まれた部分が腫れ上がり、動けなくなる。


 但し相手を噛んだ時のみ有効。

 返り血を浴びせた場合等は、部下に出来る能力のみ有効。



「おおっ! こいつは凄い能力だ」


「私のスキルもすごいわよ」


 ステータス血族化。

 このスキルは噛まれて絶命した者を自らの配下にできる。

 また配下となった者は絶対の忠誠を持つ家臣となる。


 更に相手に吸血した時、相手の生命力を少しだけ奪い回復する事ができる。

 単純な吸血と違い相手の体力を削る効果あり。



「ねっ? すごいでしょっ!!」


「確かにミリカのスキルもいいな・・・俺のスキルは部下にできる以外は、相手が噛まれたら動けなくなるスキルなのか?」


 ミリカは自身の手に入れたスキルを自慢すると。

 ジョージは、自分とミリカのスキルの確認をする?。



「ミリカのスキルは噛みついたら部下にできる意外は、自分が相手の体力を吸いとり回復できる・・・か? まあ、基本的に部下に出来るって所は一緒か?」


「でさぁーーこれからはどっちへ行くのよ?」


 一人ぶつぶつと喋り続けるジョージに対して、横からミリカは話し掛ける。



「そりゃ当然、奥に前進だ行くぞっ!」


「おおっ! 行きましょーー」


 二人は進む。

 ほの暗い暗闇の中、まだ見ぬ先へ。

 その先へ先へと歩いて進む。

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