むかしむかし、八重山の島々ができて間もないころのこと。
星の女神様が、星の子を産むことになりました。
「星の子を産むために、どこか清らかな場所はありませんか?」
「どれ、私が探してやろう」
星の女神様は、天の神様に相談しました。
いいところはないものかと、天の神様はあちこち探しました。
すると、ちょうど今の竹富島の沖に、とても美しい場所を見つけたのです。
そこは、青い海に幻のようにあらわれる、のちに浜島とよばれる島でした。
「あの小さな島の沖の、サンゴと白砂の美しいところで産むとよいだろう」
「ありがとうございます。そこで産むことにします」
天の神様は、星の女神に教えました。
星の女神はさっそくその海に行き、星の赤ちゃんを産みました。
ところが、それを知った海の神様は
「
怒った海の神様は
「ここに産み落とされているものを、全部飲み
海蛇は海の神様に命じられた通りに、星の子どもを全部飲み込んでしまいました。
飲み込んだ後には、白い星の子どもの小さな骨だけが、白い砂にまじって残されました。
「かわいそうに。おまえたちの
それを
天の神様は、星の子どもたちの魂を天に送るように、人間たちに言いつけました。
「砂に混じった小さな星の形をしたものを
星の子どもたちの骨は、小さな星の形をしています。
人々は天の神様の言いつけに従い、星の砂を香炉に入れて、お正月にお香をたきました。
それが習慣となって、今でもずっと続けられているそうです。