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八重山昔話「倉を守る金色のヘビ」

 むかしむかし、ある島でネズミがたくさん増えて、倉の中の作物を食いらしていました。

 ところが、ある家の倉にだけは、ネズミが寄り付かないのです。


「どうしてあそこだけネズミが来ないんだろう?」


 みんな不思議がりました。

 家の人もどうしてか分かりません。

 じゃあ調べてみようということになり、みんなでこっそりと倉をのぞきました。


 すると、倉の中には金色の大きなヘビがいたのです。

 ヘビは倉に入ったネズミをとって食べています。

 食べられた仲間を見たネズミたちは、あわててげ出しました。


「なんとありがたい。あれは神様の使いにちがいない」


 人々は金色のヘビをおがみ、ほこらを建てました。

 その祠ができると、村にいたネズミはみんな逃げ出していなくなったそうです。



 この金色のヘビは、おそらくアルビノの仲間だったのでしょう。

 今からおよそ20年前、川平公園にヘビの飼育施設しせつがあり、そこには本物の金色のヘビがいました。

 今ではもうその施設は無く、ヘビがどうなったのかは分かりません。

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