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5 ダンジョン①(ドミルコ)


昨日のこともあったので、朝はカメ吉とセリーヌも一緒にみんなでゆっくりと過ごした。


「セリーヌ、今後どうしようか。この後ダンジョンへ行くけどテイムを解除してそのままダンジョンで過ごすこともできるが、、、」


「えっ!!そんなの酷いです〜!私だけ仲間外れだなんて、、、」


「いやいや、セリーヌがよければこのままでもいいんだが。」


「このままでいいです〜。どうせダンジョンにいても殺されるだけですから。」


「あ、あぁそれもそうだね。セリーヌは何か得意なことはある?」


「闇魔法が少し、、、それから、、、敵の位置が分かる程度ですかね。」


「闇魔法!それは教えてもらいたいな!敵の位置はどうやって分かるんだい?」


「ん~なんとなくですね、私モンスターですから。」


「あ、それもそうか。それじゃ危険を察知したら知らせてくれるかい?」


「それくらいなんてことはありません!」


そんな自慢気に言われても、、、



昼からはダンジョンへ潜った。

プメールのダンジョンと変わらない、遺跡のような薄暗い場所。

違うとすればモンスターだ。


兎のようなモンスター、アルミラージ。頭には1本の角、鋭い牙、赤い目。

それも5体最初から出現する。尋常じゃないほど動きが速すぎる。


「リア、あの速さ、目に見えるか。」


「一応追えるにゃ~。」


「周りを凍らせるから気を付けて狩れるか?」


「お安い御用にゃ~。」


「よし、ルーナ!フローズンを!」


「はい!フローズン!!」


壁と床を凍らせたため、アルミラージの動きが鈍くなった。


「リアはそっちの2匹を、俺はこっちの3匹をやる!!」


「はいにゃー!!」


リアはしっかり2匹仕留めているな。俺の方も!スキル『思考念熟』!

先読みして、仕留める!!1匹目、2匹目、3匹目!!


「よし、二人とも、よくやった!」

「青の魔核か、回収しよう。」


速さを防げば造作もない。奥へ奥へと進みボス部屋へ入った。


「これは!?でかい、兎だ。」


「それは見たらわかりますよ!耳が羽のようになっていますね。」


セリーヌが、

「あれはアルミラージの上位種、カーバンクルです。大きい割にアルミラージよりさらに速い動きをします。額の柘榴石ざくろいしに魔法を貯めこみ魔法耐性を強めているため、魔法での攻撃はやめておいてください!!」


「わかった!ルーナ、リア、さっきのアルミラージより数段速いうえに魔法耐性があるらしい。注意しろ!」


「はい!」「はいにゃ!」


アルミラージより目で追えない、速すぎる。いや、待てよ直接魔法攻撃しなくても他の場所なら。


「ルーナ!アルミラージの時と同じように壁と床にフローズンを打ってくれ!」


「わかりました!フローズン!!」


「よし、少しは鈍くなった!リア、攻撃と行くか!」


「待ってましたにゃ!」


「額の柘榴石を狙うぞ!」


リアとの連携でカーバンクルを倒すことができた。


「ふぅ、なんとか倒せた。ドロップ品はと、、、」


「黄の魔核と柘榴石、毛皮となんか本がありますね、なんでしょうか?」


「本?なんだろう、、、」


『速さを追及する者へ』と書かれた本がドロップしていた。

スキル『即解』で物の数秒で読むことができた。

そして、頭の中に文字が浮かび上がってくる。


ースキル『瞬光しゅんこう』を獲得


『瞬光』?あのボスからの本の題名からして速さに関わるものだろうか。


念のため使ってみるか。スキル『瞬光』!


「あれ、いつの間に階段のそばに?」


「ひなりさん、いつの間に階段の方に行ったんですかー?」


「ふむ、、、このスキルは一瞬で移動できるということか。これは使えそうだ。」


「ご主人様~、この石は~?」


「あぁ、それは使い道があるのか?セリーヌ、あれはどういう物なんだい?」


「その柘榴石は魔力を貯めこんでいる魔鉱石になります。アイテムや武器などに加工して使えますよ!」


「それはいい!鍛冶場で使わせてもらおう。」

「二人とも、今日はここまでにして、この続きは明日にしよう!」



ダンジョンを後にして酒場に行き、リアはどんだけ食べるんだという周りの目もくれずの食べっぷり。

ルーナは酒を浴びるほど飲もうとしているのでさすがに止めた。

ここの酒は上手い。特にワイン。これは旅立つ前に買い込んでおかねば。


なんとか今日は歩いて帰ることができた。成長かな。うん、そう思うことにしよう。


夜はどこにそんな余力があったのかというほど盛り上がった。

というのも、途中でセリーヌが物欲しそうに見てきたから誘ってみた。

初の異種族との交流。また違った初体験。


3人を相手にするのは骨が折れるが、それもまた一興か。

楽しみが増えた夜だった。


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