なんだ。なにかとても気持ちがいい。
昨日はぐっすり寝たからかな。目覚めがいいのかも。
さて、起きようか。
「何してるんだ3人とも。」
「えーっと、朝の戯れ?」
「朝ごはんにゃ!」
「、、、、」
「なんか言えーー!!」
この世界の住人は常に欲求不満なのか。
この3人が特別そうなのか。
がしかし、男の夢ってやつが叶った気分だ!!
俺も大概だな。
「みんな、明日にはここを立つから今日は自由行動だ!」
「やったーーーー!!!!」
3人声を揃えてまた、仲の良いことだ。
「その前にセリーヌ、スキル『隠蔽変化』!」
「人間の足にしてみた。これで外でも歩けるだろう。」
「こんなスキルが!えぇーっと、みなさんは人間なのですか??」
「私はハーフエルフよ!」
「リアは獣人にゃ!」
「えーーー!こんなことって、灯生さん何者ですか??」
「まぁー気にしないで!」
「というより初めからこのスキル使ってくださればよかったのに。」
「そ、それもそうだな。忘れてた!はははは!」
セリーヌはすこしオコになっていた。
3人は一緒に出掛け、俺とカメ吉はというと、、、
スキル『思考念熟』で頭の中で普通に会話できることに気づいた。
「親分、どこへ行くんでぇ?」
「荷車を探しにね!だからカメ吉を連れてきたんだよ。」
「あぁ、なるほどでせぇ。っていうとあっしに荷車を?」
「うん、そのつもりだよ、頼めるかな?」
「もちろんでせぇ!お安い御用でせぇ!」
「じゃぁどんなのがいいか一緒に探すか!」
「気合込み上げてくるんでせぇ!!!」
そこまで気合入れなくても、とは言えない俺であった。
荷車を扱っている商店があったので入ってみることに。
「いらっしゃい!荷車をお探しで?」
「そうなんですが、、、丈夫で少し広めのがいいんですが、、、」
「ふむ、それでしたら、、、こちらなんていかがでしょう。」
「普通の荷車と違い、屋根はドーム状で雨や風、砂嵐など防げる丈夫な物を使用しております。また、
内装も長椅子が数個置けるほど広くなっております。車輪も従来では木製ですが、こちらは鉄製と壊れにくいものとなっております。いかがでしょう?」
「なかなかいいね。カメ吉?どう思う?」
「あっしもこれがよいと思います!」
「よし!それじゃこれをくれるか?それと椅子をソファーに変えられるか?」
「お買い上げありがとうございます!ソファーですね、もちろん変えられます、追加で料金をいただきますが、、、」
「構わない。」
「承知しました!すぐご準備いたしますね!」
しばらくして、
「お待たせいたしました!!ご希望の品でございます!馬はご入用で?」
「いや、必要ない。世話になった!」
俺は荷車をアイテムボックスへと収納した。
店主はかなり驚いていたが構わず立ち去った。
「よい買い物をしましたなぁ!次はどこへいくんでせぇ?」
「ギルドにね!セルビアさんに言っておこうと思って。」
「なるほど、あのお方はご主人ほどじゃないですが、かなりの魔法使いでせぇ。悪い気配はしませんが。お気を付けくだせぇ。」
「そうなの!?そんな風には見えないけどなぁ。覚えておくよ。」
俺はセルビアさんに明日旅立つことを伝えた。
「そうですか、明日に。ちなみに行き先は?」
「ドワーフの宿場町です。ちょっと鍛冶を習いたくて、、、」
「なるほど!そうでしたか!それで場所はお分かりですか?」
「あ、忘れてました!場所わかるんですか??」
「わかりますよ。ここからドラゴン山脈沿いに東へ、3日ほどあれば着くかと。」
「ありがとうございます!助かります!!」
「お気をつけて。」
俺は荷車の確認をするため、一度ドミルコを出ることにした。
「ここらへんでいいだろう、荷車を取り出してっと。」
「カメ吉!リサイズ!」
カメ吉は元の大きさに戻った。
「久々の外でさぁ!親分、これから何するんでぇ?」
「ちょっと荷車の改良を、ね。」
「改良ですかい?」
「もうちょっと居心地いい感じにしたいからね。カメ吉のあの速さじゃ、たぶん旅をするのに荷車の方が持たないだろうから。」
「なるほど、さすがでせぇ親分!!」
まずは内装から、現代っぽく小窓とか置いてみたりソファーはこっちかな、あとは全体的にスキル『不死身』を付与して、たぶんこれで壊れないはず。
まぁとりあえずこれでいいだろう。
「よし!完成だ!カメ吉、試運転だ!引っ張ってくれるか?」
「はいでさぁ!!」
というと、ものすごい速さで走り出した。久々に走ったせいかご機嫌のようだ。
「乗り心地はどうでさぁ?」
「うん、悪くない、安定してるし、振動も少ない!いい感じだ!」
「それは何よりでさぁ!あっしもこれで気兼ねなく走れるでさぁ!」
試運転が成功したところでもう夕方になっていた。
俺たちはひとまず宿に帰ることにした。
「あ、帰ってきたー!お帰りなさーい!」
「ただいま!」
「何してたのー?」
「買い物にゃ~、旅の買い出しとかはだにゃにゃにゃ~。」
ルーナがリアの口を急に抑えた。なんなんだ?
「ひなりさんを待ってたんですよー!さー酒場に行きましょー!」
「私もやっと初の酒場です~!」
セリーヌは珍しくテンションが上がっている。
いつも以上にすごいことになりそうだ。
酒場でたらふく食べて飲んだ後、宿に帰るのにそれはもう一苦労で。
宿に戻ると彼女たちは何やら着替えだした。
「じゃじゃーん!どうですかー?肌着を新調したんです!3人とも色違いです!どうですー?」
さっき隠したのはこれのことか、、、
「うん、とても似合ってるよ、3人とも、きれいだ。」
「誰が一番かわいいにゃ?」
「んー、それは3人を味見させてもらわないとわからないかなぁ。」
とか言いながら1人対3人、とりあえず今夜も返り討ちにしてやった。