「ひなりさん!そんなことって、大丈夫なんですか??」
「獣人のみんなもいるし勇者もいるにゃ。」
「まぁまぁとりあえず会ってみてはいかがですかお2人とも。」
「僕も会ってみたいかな。」
まぁそりゃ突然魔王が来たって、旅に同行させてほしいって言われたらそういう反応になるのは仕方がない。
「灯生様の言う通り、魔王様は悪いお人ではありません。」
「セリーヌとアーロとロータスの言う通り、まぁ会ってみてよ。別に悪い人じゃないからさ。」
と言って5人を魔王とアルファスの元へ連れ出した。ロータスは何か知っている感じだな。
「私たちのひなりさんをどうするつもりですか!?」
「リアもご主人様守るにゃ!」
「まぁまぁ2人とも落ち着いて。さっき言ったように魔王さんは悪い人じゃないって。」
「灯生殿、こんなにも美人の5人の仲間がいるとは。うらやましいですな!」
「魔王さん、すみません~。紹介しますね。ハーフエルフのルーナ、黒猫の獣人リア、ラミアのセリーヌ、ドワーフのアーロです。それからメイドのロータスにアルファス、あっちで荷車を引っ張ってくれてるガルゲゾのカメ吉です。」
「灯生殿、かなり多いの。それもお主の力かも知れぬなぁ!」
「いや~それほどでもです!ほら言っただろう!気さくな人だって。」
「なんかイメージと大分違いますね、リア。」
「リアもそう思う。これっばかりはルーナに同意だ。」
「そうだろ。だから言ったのに。」
「がしかし、同じ荷車に乗るにはその
「あぁそれもそうだな。少し抑えるとしよう。君はロータスと言ったか、どこかで・・・。」
「以前はミンチェスター家のメイドでした。どこかでお会いしたかもしれませんね。」
「あぁ!ミンチェスター家の者か!今もミンチェスター家はご健在か?」
「はい、皆元気でやっております。」
「それはよかった!というよりもロータス・・・家名はあるのか?」
「はい。ロータス・ベルテロッティと申します。」
「おぉ!ヴァンパイアで有名なベルテロッティの一族の者か!」
「先の大戦では父がお世話になったかと。」
「おぉそうだったな!お父上も魔界で一緒に酒を一杯やっておったわ!」
「そうでしたか。魔界でまだ生きているんですね、あのアホじじぃは。」
「まぁそういうでない!悪い奴ではないぞ!」
「とりあえず皆さん魔王様もご一緒でよろしいですね?魔王様はできるだけ瘴気を抑えていただきますようお願いします、獣人も勇者もおりますので。」
「わかった!この我が旅とは、また久しいものだ!気分が上がるわい!」
さすがロータス。なんとかこの場面を収集してくれた。
「じゃぁみんな、荷車に戻って旅の再開だ!」
魔王さんは意外と獣人たちと馴染んでいて内心ホッとした。それよりもアポロンとの距離が意外と近いのも驚いた。これでは孫とおじいちゃんだ。
「君が勇者かい?」
「あ、うん。おじちゃんは?」
「おじちゃんは魔王のイーゴリだ!少年の名前はなんて言うんだ?」
「僕はアポロン!よろしくね、イーゴリおじちゃん!」
「よろしくな!アポロンよ!」
「魔王さん、名前あるんですか?」
「そりゃあるぞ!我の名はイーゴリ・サリヴァンだ!」
「イーゴリさん、サリヴァンって魔法公国の名前じゃないですか?ロータス、どういうこと?」
「それは魔王様にあやかって、前ミンチェスター家当主のゾルビア様がお決めになりました。」
「おぉゾルビアとな!久しい名前だ!」
「魔王さんも知ってるんですか?」
「知ってるも何も、魔人の中では一二を争う者だ。もうじじぃになっておる頃か?」
「はい。今は別の都市におられます。今から向かうバザール都市 ベジハイドにはルルビア様がおられます。」
「これまた久しい名前だ!ルルビアか!あの破天荒なルルビアかぁ!まだ生きておったのか!」
「ロータス、どういうこと?」
「ゾルビア様とルルビア様はミンチェスター家の祖父母に当たります。魔王様がいた頃はもっと若かったかと。今は防衛都市 ロドジーにゾルビア様が、今向かっているバザール都市 ベジハイドにはルルビア様がおられるのです。ルルビア様のおかげで以前の王国の獣人国襲撃を最小限に抑えられたと思われます。」
「なるほど。そういうことね。じいちゃんばあちゃんということね。」
「お2人は当時、魔人の中でも一二を争う稀代の天才でありました。今は当時ほどではないにしろ、魔人の中でもかなり力を持っておられる方です。」
「そんなにすごい人が。会うのが楽しみだね!」
「お2人は、その、少々、気が荒いところがございまして・・・。」
「と言うと?」
「ロータス、そんな仰々しく言わんでも!
「はぁ、そうなんですか?」
「はい。少し融通が利かないところがございます。お、お気をつけて。」
「えぇ、そんなに~。」
その話題になっていた、バザール都市 ベジハイドが目の前に近づいてきた。