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13 アルファスからの知らせ


荷車を広く作ったおかげで獣人のみんなも快適に過ごしてケルバまで目指している。

カメ吉の素早い走りおかげで数日経った頃、ついにきたアルファスからの知らせ。


◈灯生殿。転移をお願いしたい。


◈わかった!テレポート!


とそこに現れたのは、アルファスの姿ともう一人知らない人物がいた。


「えっと、アルファス・・・その方は??」


「この御方は召喚で復活成された、魔王様です。」


「あ、どうも、魔王です。よろしく~。」


え、ほんとに?こんなにフランクな魔王いるの?もっとこう破壊が趣味だぁー!みたいな感じじゃないの?すごい大学生みたいなノリの魔王だな。


「あ、どうもご丁寧に、灯生と申します!よろしくです~。」


「あ、どうも!こちらこそご丁寧に!アルファスがお世話になっております~。」


なんだこのサラリーマンの営業みたいな会話は!?


「灯生殿。魔王様。そんなかしこまらなくてもよいですぞ。」


「そ、それもそうだな・・・我としたことが、はは、ははははは~。」


「お、俺も丁寧すぎたね、はは、ははははは~。」


な、なんだこの状況は!?営業先の取引みたいな!?


「まぁ冗談はこのくらいとして。我のアルファスが世話になった!と言っても、今はお主がアルファスの主人か!」


「あ、そうなんですよ。成り行きでテイムしてしまって!よかったでしょうか・・・。」


お、怒っているの!?なに~?とても怖い!!


「あぁいやそれはよいのだ!あの箱は『リッサの匯石かいじょう』と言ってな、四天王の一人、徇惺じゅんせいの魔女 リッサ・メノローが作った代物しろものでな。あれは我にも解けなかったであろう。アルファスをあの箱から助けていただき心から感謝する!」


「はぁ、いやまぁなんか開いちゃった感じなんで大丈夫ですよ魔王さん!魔王さんにも解除出来ないのですね。」


「あぁ。リッサのは特別製でな。たぶんリッサ自身、自分が作った玩具おもちゃに閉じ込められておる。今もなお。そしてもう一人の四天王、伽藍がらん無首デュラハン トゥルルガリアンもだ。」


「そうなんですね。どうしてそんなことに??」


「あ奴にハメられたのだよ、もう一人の四天王、革新派と言ったか、それを率いていたゴブリンの賊頭 ジャラマンに。ま、もうおらんがな。」


「なるほど・・・そのジャラマンさんはどうしたんですか?」


「召喚された時にきおって、少し頭の中を覗いてみたらこいつが主犯だったので、『リッサの蟠園ばんえん』に送ったわ!ざまぁ見ろだ!」


「その、『リッサの蟠園ばんえん』ってのはなんです?」


「あぁそれはまぁ虫籠みたいなもんだ。一度入ってしまえば出てこられない、言ってしまえば虫の園かの。今頃、虫に喰われて跡形もなくなっているだろうさ!」


「そ、それはまた、えげつないですね・・・。」


「それ相応のことをしたのだ。それには対価が必要だろ?お主もこっち側の者だろう?」


「まぁそうですね。確かに。ちょっと待ってください、その話によるとあと2人の四天王はまだ生きているということですか?」


「お!鋭いの!そういうことだ!だからお主の旅に同行させてほしい!」


「へぇ~!?いいんですか??」


「お主がよければだがなんだが・・・他の2人も探さなければならんからな。」


「なるほど。それならいいですが、今俺の仲間たちと奴隷にされてた獣人と勇者もいるんですけど大丈夫ですか?」


「よいよい!旅は大勢に限る!なぁアルファス!」


なんだろ。この上司と後輩みたいな2人は。あれ、そういえば。


「なぁアルファス。最初に魔王さんが復活したって言ってたけど、どういうこと?召喚なのに復活したってどういうこと?」


「あぁそれは、魔王様は悪魔なので一度死んだくらいでは死なないのです。」


「そうなのだ!以前の大戦で、人間にせいせいしてた頃に倒された感じで魔界で気ままに隠居生活してたのにまた戻されて腹立たしいわ!」


「あぁそれは・・・お察しします・・・。」


休日に会社に呼び出し食らった感じだな。そりゃ、怒るわ。


「とりあえずみんなに話して来ますからちょっと待ってくださいね。」


荷車にいるルーナたちと獣人たち、それに勇者のアポロンにも事の経緯を話した。


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