テレポートで戻った俺たちをルーナたちは待っていた。そしてそこにはカイやライザン長老も。
「ひなりさーん!無事でしたか!?」
「無事だよ。案外すぐに終わったよ。」
「よかったぁ、怪我とかしてないですか?」
「ご主人様は大丈夫にゃルーナ!」
「それでも心配するでしょうリア!」
「はー。そこバチバチしないのー。」
ライザン長老に報告しないとな。
「ライザン長老。駐屯地にはもう誰もいませんよ。皆さん王城へお戻りになりましたから。」
ライザンの長老の目が点になり唖然としていた。
「灯生殿。この短時間でそのようなことが!?」
「あんなのは造作もないことですよ。なぁアルファス?」
「えぇ、それはもうすぐ終わりました。灯生殿は随分楽しんだようですが。」
「そ、そうか。それは何より。今回も助けられた。感謝するぞ、灯生殿。して、どのように彼ら王国軍を撤退させたのか?」
あー。それ言わなきゃダメなのかな。とても言いずらい。
「灯生殿は王国軍の指揮官に宝箱を持たせて帰らせたのです。なのでこれほど短時間で済みました。」
◈アルファス、ナイスフォロー!!
こちらを向いてグーっとしてくれた。なんとも可愛らしいやつめ。
「そうか!そのような手段が!いや、見事であった!今夜は疲れたであろう。ぜひこの城に泊まって行ってくれ!部屋は好きなところを使っていいぞ。」
「ありがとうございます、ライザン長老。」
ふぅ、なんとかごまかせた。アルファスのフォローのおかげだ。
部屋に向かう途中、魔王さんにあのことについて問い詰められた。
「お主、ほんとは何をやったんだ?」
「えぇーっと、それは・・・言わなきゃダメですか??」
顔圧すげぇー。魔王さんにはお見通しのようだ。
「まぁ少し遊んだくらいですよ。幻覚魔法で錯乱させて、指揮官以外の兵は生きたまま首を跳ねて、宝箱に詰めて指揮官に渡しました。あ、首をはねる前に幻覚魔法で幸せな夢を見るようにし、首は跳ねましたけど生きてるので殺しては居ませんよ。」
なんとも呆れた表情をしている。
「続けたまえ。」
「それで指揮官にその宝箱を渡して王城へ送りつけました。兵たちの体は流石に放置するのはダメだと思ったので埋めときました。」
「灯生よ。それはかなり悪趣味だぞ。我でもそこまではせんぞ。」
「えぇ、そうですか?脅しには丁度よいかと。それにそこまでしないと人間という生き物は理解できないでしょう。」
「それもそうだが・・・。お主というやつは、底知れないな。それにしても、どうやって生きたまま首を切ったのか?もしかしてそれも魔法か?」
「まぁそうですね・・・。その魔法は人間にしか使わないつもりなので心配しないでください。」
魔王さんは少し何かを考えた後、
「転移魔法といい、それは古代魔法の一種か?」
「まぁそうなるんですかね。それは秘密ですね。」
「そうか・・・。」
魔王さんは部屋へと戻り、俺も同じように部屋へと戻った。
部屋に入ったはいいが、なんとも勢ぞろいだな。待ってましたぞ感が凄い。
「ひなりさーん!早く寝ましょー!」
「ご主人様早く来るにゃ~!」
「私も居ますよー!最近は全然構ってくれないじゃないですかー!」
「僕も兄ちゃんと寝るー!」
「灯生様、食事を・・・。」
「灯生お兄ちゃん、もう眠いよ。」
多い。多すぎる。なぜこんなに増えたのやら。
「ベッドがに入りきらないだろ!全くもう。」
呆れながら、たまにはいいかと思いながらもアポロンがいるから普通に寝るんだがと思い、その日は寝床についた。