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18 勉強会①


「よっしー!入野!今日勉強会な!」


「え、また急だね。まぁいいけど。」


「急すぎるし!まぁあたしも予定ないしいいけどー。」


「よーし!決まりだな!場所は・・・よっしーの家でな!いいか?」


「あぁいいよ。」


「平岡っちの家!?」


「顔まっ赤にしてどうしたんだ~?」


「い、いや!別に!」


「あれ、持って来なかったら家に入れさせないからな。」


「分かってるって!饅頭だろ!」


「入野さん!2人で勉強会しよっか!」


「じょ、冗談だよ~!久万谷堂の大福だろー!覚えてるさ~。」


「入野さんはいいからね!」


「あたしも持ってくよ~ん!」


「そう?ありがと!」



ー放課後。平岡宅。


「おじゃましまーす!」「おっじゃまっしまーすっ!!」


「あ、いらっしゃーい!宝条君、大福は?」


「貢物でござまする~!」


「よし、入りたまへ。」


「あたしもー!」


「うん!ありがと!どうぞ!」


「俺と全然態度違う~。」


「そこらへんに座ってて。お茶出すから待っててね。」


「ここがよっしーの家かぁ。というか一人暮らしなんだな!」


「本がいっぱいだねぇ〜!平岡っちの家って感じ!」


「なんだそれ!」


入野さんが僕の家にいる!

来る前から心臓バクバクだったのに、さらに鼓動が速く・・・。

は、張り裂けそうだ!!


僕は2人に勉強を教えながら、久万谷堂の大福を食べるという至福のひと時を過ごした。

こんな僕が、家に友達を呼んで勉強を教えるなんて、そんな日が来るとは。


「ちょっとトイレ借りるなー!」


「どうぞー。」



あれ、2人になってしまった。

久々の2人の時間。


「平岡っち、久々に2人きりだね。」


「そ!そうだね・・・。」


「平岡っち!!」


入野さんの手が僕の手の甲に重なった。


「うわぁ!ご、ごめん・・・。」


「うん、大丈夫・・・。」


「また、家、来てもいい?」


「いいけど、それってどういう・・・。」


「ふう!すっきりしたぁ~!」

「ん?どうした?」


「いや!なんでも!」


「早く勉強の続き!」

「2人とも、今の状況だと普通に赤点だからね、これから毎日教えるから。」

「明日からは放課後に図書室ね。」


「そんな~!」



また家に来てもいい?ってどういう意味?

また勉強会するってこと??

それとも・・・。

ぼ、僕は何を考えているんだっ!


2人が帰った後の家のにおいが入野さんの残り香で満たされていて、

朝まで心臓のドキドキが収まらなかった。


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