図書室での猛特訓の末、僕たちは中間試験を迎えた。
ー試験終了後
「2人とも、どうだった?」
「教えてくれた範囲、全部出たから大丈夫っしょ!」
「あたしも意外と書けたよ!」
「よかったぁ!上手くいったのならよかった!」
「よっしーのおかげだな!」
「まぁあんだけ勉強もしたんだし赤点はないでしょ!」
「そんじゃ!今日は打ち上げしよーぜ!」
「放課後ファミレス行こーよ!」
「うん!ファミレス、行ったことない・・・。」
「平岡っち、ファミレス行ったことないの!?」
「いーじゃん!初めてがこの3人で!行こーぜ!」
「うん!楽しみ!!」
ー放課後、ファミレスで。
「よーし!乾杯しよーぜ!」
「宝条、それ何混ぜたの?」
「コーラとメロンソーダ!うまいぜ!」
「おいしそうには見えないけど、とりあえず、乾杯!」
「かんぱーい!」「かんぱ~い!!」
「それにしても2人とも今まで勉強どうしてたの?」
「俺は試験前に猛勉強して頭に詰め込むタイプ!」
「あたしもそのタイプかな~。」
「それじゃこれからは僕が教えるよ、試験前はね!」
「それは助かる~ありがたや~。」
「あたしも嬉しい!平岡っち、教える上手すぎ~!」
「よっしーはいつも何点くらい取ってるの?」
「90点以上は取れるかな。これでも僕、学年1位だから。」
2人とも唖然としていた。
「それは初耳だわぁー。普通にびびる!」
「なんで隠してたのさー?」
「隠してないよ。今ままで1位しかとったことないし、勉強だけが取り柄だからね。」
「さすがよっしー!そんなに勉強して将来どうすんのー?」
「将来かぁ。考えたことなかった。」
「2人はどうするの?」
「俺は美大に行けたらいいなとは思うけど、学費とか高いからなぁ。考え中。」
「入野さんは?」
「あたしも音大に行ってピアノもっと勉強したいけど、学費馬鹿高いからね!あたしも考え中かな!」
「え!?入野ってピアノ弾けるの??意外過ぎる!!」
「それはお互い様だろー。宝条もあんな絵が描けるなんて思わなかったしー。」
「2人ともちゃんと考えてるんだね。僕も何かやりたいことないかな。」
「小説好きなんだし、小説家とかは?」
「読むのは好きなんだけど書くのは意外と難しいんだよ。」
「そういうものなのか。」
「小説といえば、入野さん、書店であっためっちゃピアスしてる地雷系の女の子覚えてる?」
「まぁ覚えてるけど、どうしたの?」
「この前、図書室で会ったんだよ!その時も安藤先生の本借りてて。」
「それって福田先輩じゃない?文芸部の。」
「宝条君知ってるの?」
「そりゃーな。美人であんだけピアスしてて文芸部って、バスケ部の中で話題になってたな!」
「福田先輩って言うのか。うちの学校、文芸部あったんだ。」
「そりゃあるだろー。なにー?デートでも誘われたのー?」
と宝条君が言った時、入野さんが少しムッとしているように見えた。
「い、いや、そんなじゃないよ!本のことで少し話したいって言われただけだから!?」
「なんでそんな焦ってんだ??」
「い、いや、別に!?」
その後も入野さんは少し怒っている様子だった。
なんだろ。この感じ。
僕が先輩のこと話したから?
それって嫉妬??
いや、そんなこと、ありえ、ないよ。
その後僕らは解散したけど、帰った後も入野さんの様子が気になっていた。