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19 中間試験


図書室での猛特訓の末、僕たちは中間試験を迎えた。



ー試験終了後


「2人とも、どうだった?」


「教えてくれた範囲、全部出たから大丈夫っしょ!」


「あたしも意外と書けたよ!」


「よかったぁ!上手くいったのならよかった!」


「よっしーのおかげだな!」


「まぁあんだけ勉強もしたんだし赤点はないでしょ!」


「そんじゃ!今日は打ち上げしよーぜ!」


「放課後ファミレス行こーよ!」


「うん!ファミレス、行ったことない・・・。」


「平岡っち、ファミレス行ったことないの!?」


「いーじゃん!初めてがこの3人で!行こーぜ!」


「うん!楽しみ!!」



ー放課後、ファミレスで。


「よーし!乾杯しよーぜ!」


「宝条、それ何混ぜたの?」


「コーラとメロンソーダ!うまいぜ!」


「おいしそうには見えないけど、とりあえず、乾杯!」


「かんぱーい!」「かんぱ~い!!」


「それにしても2人とも今まで勉強どうしてたの?」


「俺は試験前に猛勉強して頭に詰め込むタイプ!」


「あたしもそのタイプかな~。」


「それじゃこれからは僕が教えるよ、試験前はね!」


「それは助かる~ありがたや~。」


「あたしも嬉しい!平岡っち、教える上手すぎ~!」


「よっしーはいつも何点くらい取ってるの?」


「90点以上は取れるかな。これでも僕、学年1位だから。」


2人とも唖然としていた。


「それは初耳だわぁー。普通にびびる!」


「なんで隠してたのさー?」


「隠してないよ。今ままで1位しかとったことないし、勉強だけが取り柄だからね。」


「さすがよっしー!そんなに勉強して将来どうすんのー?」


「将来かぁ。考えたことなかった。」

「2人はどうするの?」


「俺は美大に行けたらいいなとは思うけど、学費とか高いからなぁ。考え中。」


「入野さんは?」


「あたしも音大に行ってピアノもっと勉強したいけど、学費馬鹿高いからね!あたしも考え中かな!」


「え!?入野ってピアノ弾けるの??意外過ぎる!!」


「それはお互い様だろー。宝条もあんな絵が描けるなんて思わなかったしー。」


「2人ともちゃんと考えてるんだね。僕も何かやりたいことないかな。」


「小説好きなんだし、小説家とかは?」


「読むのは好きなんだけど書くのは意外と難しいんだよ。」


「そういうものなのか。」


「小説といえば、入野さん、書店であっためっちゃピアスしてる地雷系の女の子覚えてる?」


「まぁ覚えてるけど、どうしたの?」


「この前、図書室で会ったんだよ!その時も安藤先生の本借りてて。」


「それって福田先輩じゃない?文芸部の。」


「宝条君知ってるの?」


「そりゃーな。美人であんだけピアスしてて文芸部って、バスケ部の中で話題になってたな!」


「福田先輩って言うのか。うちの学校、文芸部あったんだ。」


「そりゃあるだろー。なにー?デートでも誘われたのー?」


と宝条君が言った時、入野さんが少しムッとしているように見えた。


「い、いや、そんなじゃないよ!本のことで少し話したいって言われただけだから!?」


「なんでそんな焦ってんだ??」


「い、いや、別に!?」



その後も入野さんは少し怒っている様子だった。

なんだろ。この感じ。

僕が先輩のこと話したから?

それって嫉妬??

いや、そんなこと、ありえ、ないよ。


その後僕らは解散したけど、帰った後も入野さんの様子が気になっていた。


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