「えっ!平岡っち、文芸部に入ったのー??」
「うん、まぁね。小説書いてみようと思って。参考になるかなって。」
「よっしーもやるじゃん!部活は楽しいぞー!」
「おかず、もーらいっ!」
「平岡っち、それってあの先輩がいるから?」
入野さんが今まで以上にムスッとしているような。
「あー、福田先輩のこと?いや、違うよ。」
「僕も将来のこと、いろいろ考えなきゃなって思って。」
「ねるほどねー。平岡っちなりに考えてたってことか。」
「まぁいいんじゃない?」
「うん!がんばってみるよ!」
こうやって自分で何かをすることは勉強以外なかった。
読書は好きだけど書くのは別。
本当に書けるのだろうか。
ー放課後。
「よっ!後輩君!」
「2人を紹介するよ。」
「私は
「私は
「それであたしが部長の福田 理乃だ!よろしくな!後輩君!」
「平岡 周祥です!2年です!今日からよろしくお願いします!!」
2人とも同学年とは思わなかった。他のクラスの人かな。
「それじゃ紹介も済んだことだし、いつも通りで。」
「はーい。」「わかりました。」
「いつもって何するんですか?」
「んー?あぁ、読書だよ。」
「えっ!それだけですか??」
「そう、それだけ。でもそれだけじゃない。」
「まぁ聞いてみるといいよ。私は次の文芸コンクールに出す小説を書くつもりだよ。」
「今日は教えてくれないんですか??」
「悪いね。今日は書きたい気分なんだよ。」
「あ、あと、部活は強制じゃないから、用事があればそっちを優先して構わない。」
「わ、わかりました・・・。」
書きたい気分かぁ。
そもそも小説ってどうやって書くんだ?
いくら考えてもしょうがない。
他の人が何してるか聞いてみよう。
「あ、あの、一文字さんは何読んでるんですか?」
「あぁ、平岡君ねぇ、私は歴史ものの恋愛小説よ。」
なんというか、すごーいゆっくりな人だ。
「恋愛小説はあまり読まないんですが、面白いですか?」
「面白いというより、キュンキュンするかなぁ。」
「ひと昔前はは身分差なんて当たり前だったの。お姫様と農民なんて叶わぬ恋。」
「あぁとっても尊いわぁ!」
「そ、そうなんですね・・・。」
キュンキュンとはなんだ!?身分差の叶わぬ恋、ちょっと気になるかも。
今度は古本さんに話しかけてみた。
「古本さんは何読んでるんですか?」
「ん?ラノベよ。」
「ラノベって?」
「あんた、ラノベも知らないの?ラノベっていうのはライトノベルの略!」
「異世界とかファンタジーとかジャンルはいろいろあるけど、ラノベも小説よ!」
「そうなんだ、知らなかったよ。」
「あんた、なんで文芸部なんかに入ろうと思ったの?」
「小説を書きたいと思って、参考になるかなって。」
「ふーん。あんたもなんだ。まぁせいぜいお互い頑張りましょ!」
「う、うん!古本さんも小説書くんだ!」
「まぁ私とあんたとではジャンルが違うと思うけど!」
そうなのか。福田先輩はどんなの書いてるのかな。
コンクールに出すって言ってたけど。
先輩の小説も気になるし、また今度教えてもらおう。