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第21話【R18】花の蜜

 講義が最後のコマで良かったと思った。

 個人の質問に答えたり、片付けをしていたら遅くなったので、就業時間はとっくに過ぎていた。 

 校内に残っている学生や教員はいるだろうが、人気が少ない第一研究棟の二階で研究室を使っているのは理玖だけだ。

 理玖の研究室は鍵も掛かっているし、突然誰かが侵入してくる心配はない。


 だから、多少、声が漏れても大丈夫だ。


「ぁっ、あんまり、吸ったらっ」


 執拗に男根を吸い上げられて、尻の穴を刺激されて腰が浮く。


「出していいよ、全部飲むから。理玖さんの、ちょうだい」


 嬉しそうに言いながら、晴翔がまた理玖の男根を咥え込んだ。

 穴を広げる指を二本に増やして、中を擦る。


「ひぁっ、ぁんっ」


 ビリビリと電気が走って、目の前がチカチカした。

 同時に男根から射精して、晴翔の口の中を汚した。


「はぁ、はぁ……、ぁ、ん」


 久しぶりの虚脱感と快楽に、体も脳も追いつかない。


「後ろ、きついね。理玖さん、久し振りでしょ? 嬉しいな」


 今度は乳首に指を滑らせて、撫であげる。

 弱い刺激にかえって震える。


「嬉しいって、なんで……っん、んんっ」


 中と乳首を同時に刺激されて、体が捩れた。


「理玖さんの体に俺を覚え込ませたいから。俺でしかイケない理玖さんにしたいから」


 すっかり膨れ上がった突起を舌で弄ばれる。

 気持ちが良くて、口が開く。

 中も善い所を弱く擦られ続けて、頭がぼんやりする。


「ぁ……、イっちゃいそ……」


 理玖の呟きに合わせて、晴翔の指が強く中を擦った。

 ビリっとした快楽が背中を駆けあがって、理玖はまた射精した。

 反対側の胸の突起を舐め始めた晴翔をちらりと覗く。

 理玖の顔を目だけで見上げて、晴翔が笑んだ。


「欲しいって言わなきゃ、あげないよ」


 ニヤリとされて、理玖は唇をかんだ。


「なんで、そんなに余裕なの……。晴翔君、本当にotherなの……?」


 otherならonlyの様子など気にせず愛撫も無しに突っ込んだりしそうなのに。

 むしろ、理玖の方が余裕がない。

 何回も射精しているのに満足できなくて、早く晴翔に入れてほしい。


「俺、前戯長い方が好き。いっぱい気持ち良くしてあげたいタイプだから。俺に焦らされて、欲しくてもだえてる理玖さん見てるだけでイキそう」


 晴翔が身震いする。 

 言葉も声も余裕だが、目だけは獰猛な獣じみていて、やっぱりotherなんだと思う。


(otherのセックスも、人によりなのかな。onlyと行為に及んでいるだけで満足できるタイプなのかも)


 一方的な強姦やセフレではなく、思いが通い合ったonlyとotherだからこそなのかもしれない。


(僕と晴翔君は想いが通い合ったonlyとotherなんだ。レアケースだ)


 一生のうちにspouseを得られるonlyは全体の三割以下だ。そんな低い確率の中に入れた自分に驚く。何より、自分が好きだと思った相手が自分を好きで、性行為に及んでいる今に驚きを隠せない。


「集中してよ、理玖さん。俺の指と舌、感じて。俺のことだけ考えて」


 尖り切った胸の突起を強く吸い上げられて、噛まれる。

 中を強く何度もゴリゴリ擦られて、理玖は身を捩った。


「ぁ! ぁあ! 急に強く、しないでっ。晴翔君しか、考えてない、からっ」


 突起をしつこく舐めて、中を激しく擦られ続けて、理玖は息を飲んだ。


「も、ダメっ、またっ……ぁっ」


 射精した精液が、晴翔の胸を汚した。


「はぁ、はぁ……、も、ムリ。欲しい、晴翔君の、中に欲しい。我慢できない」


 晴翔の顔が間近に迫った。


「じゃ、エッチなキスして。上手に出来たら、入れてあげるから」


 ガチガチに硬くなった男根の先を後ろの口に押し当てられる。

 それだけで期待が快楽に変わって腹が疼く。

 理玖は晴翔の顔を掴まえて、唇を舐め上げた。

 するりと舌を滑り込ませて、上顎を擦り舐め挙げる。舌を絡めると、甘い香りが口から流れ込んで、頭がぼんやりして快楽が増す。


(onlyはキスが上手い人、多いっていうけど、僕はどうなんだろう)


 理玖の舌の動きに応えて、晴翔が舌を絡めてくる。 

 後ろの口を押していた晴翔の男根が、グイグイと力を強めて押し入ろうとする。


「ん、ん……、ぁん、ぅ」


 理玖の方が気持ちが善くて、思わず声が漏れる。

 晴翔の男根が、勢いよく奥までを突いた。


「ぁあ! ぁ……、ぁ……」


 突然、奥の壁を突かれて、快楽が脳を抜けた。

 軽く放心状態になった。


「ごめん、理玖さんのエロい声で我慢できなかった。思いっきり奥、突いちゃった」


 緩く腰を動かす晴翔の顔は、さっきより欲情が濃く浮いている。


「キス、めちゃめちゃ気持ち善くて止まれなかった。キスだけでイっちゃうとこだった。ヤバイ。理玖さんの全部が好きすぎて、ヤバい……」


 愛撫していた時より余裕のない声は、燥いでいるようにも聞こえる。

 返事をしたいのに、晴翔の男根が腹の中を擦って、気持ちが善すぎて言葉を発せない。

 喘ぎ声ばかりが漏れ流れる。


「んっ……ぁ……、晴翔君の、きもちぃ。むりぃ」


 晴翔の首に縋って抱き寄せる。 

 腰の動きが速さを増したと思ったら、腹の中に熱さが滲んだ。


「ぁ……、はぁ。そんな、急に抱きしめたら、興奮して、イクっ……」


 晴翔が初めて艶に塗れた余裕のない声を出した。

 ちょっと嬉しくなって、耳を食んだ。


「晴翔君も、いっぱい気持ち善くなって、僕じゃないとイケない晴翔君になって」


 晴翔の体がピクリと震える。

 逞しい腕が理玖の体を強く抱きしめた。


「覚悟してね、理玖さん。理玖さんが可愛くて、俺、もう止まれない」


 理玖の体を強くホールドしたまま、晴翔が腰を打ち付け始めた。

 肌と肌がぶつかる乾いた音が部屋に響く。


(待って、強い! 奥、一番奥まで、届いてる! 気持ち良すぎて、頭おかしくなる)


 晴翔は理玖より10㎝以上、身長が高いが、それを加味しなくても巨根だ。

 突かれる度に目の前がチカチカして、思考が溶ける。

 奥の壁の、更に奥にハマりそうになって、腰が逃げた。


「逃げないで、理玖さん。もっと気持ち良くしてあげるから」


 快楽の滲んだ声が耳元で響く。

 逃がさないとばかりに、晴翔の腕が理玖を更に強く抱きしめた。


「や、だめ、奥、ハマったら、頭おかしくなる」

「おかしくなって。気持ち善くなって、どうにかなっちゃって」


 舌で耳の穴をグリグリ舐められて、力が抜けた。

 瞬間、腹の奥の、更に奥に晴翔の男根がハマった。グポグポと腹の中で音がする。


「ん、ぁっ……、ぁ……」


 いつの間にか射精して、自分の腹の上が熱くなった。

 ぴたりとくっ付いた晴翔の体が、理玖の精液でぐちゃぐちゃに汚れている。

 理玖が射精するたびに満足そうに笑んで、晴翔が腰の動きを速めた。


「奥に、出すよ。俺の子、孕んで、理玖さん」


 腰が上がって、自分から晴翔に打ち付けた。

 理玖の本能が晴翔の子供が欲しいと言っている。


「ぅん……、晴翔君の精子、いっぱい、ちょうだい」


 晴翔の唇に吸い付いて、噛みついた。

 また腹の中に熱い精液が溢れた。

 激しく打ち付けていた腰を止めて、晴翔が理玖の上に覆いかぶさった。


「理玖さん、可愛い……。何回でもイケる。こんな気持ちいいセックス、はじめて」


 晴翔が理玖に口付ける。

 腹の中の男根は、まだ熱くて硬い。


「僕、も……。晴翔君が、気持ちぃ……」


 晴翔の唇を食んで舐め挙げると、口付けた。

 そんな理玖を、晴翔が愛おしそうに見詰めた。


「理玖さんが、いつもより可愛い。俺しか知らない理玖さんだ。理玖さん、好き、大好き。俺だけの理玖さん……」


 晴翔が腰を揺らす。理玖の中に入りっぱなしの男根は、ずっと熱くて硬い。

 感じる熱があまりに幸せで、理玖は無意識に腰を上げた。


「僕も、好き……。僕の、晴翔、くん……」


 晴翔の真似をして言ってみたら、あまりに恥ずかしくて気持ちが善くて、また射精した。


(言葉だけで、声だけで、指先が触れただけで。晴翔君の全部が気持ち善い。もっともっと、晴翔君に飲まれてしまいたい)


 蕩けた顔に獣の瞳を光らせる最愛の人を抱きしめて、花の蜜のような甘い香りを吸い込んだ。

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