【タイトル】
あれから約1週間が経った。
ルナは、シアと共にバズリディアの周辺で初心者向けのクエストをこなし、冒険者として少しずつ実績を積み重ねていた。
「薬草採集クエスト完了ですにゃ!」 「ゴブリン退治クエストも無事に終わりましたにゃ!」
コメント欄には「おつルナ!」「安定した活躍じゃん!」などの声が流れ、ルナは毎日同接と共に少しずつ力を蓄えていた。
その成果もあり、冒険者ランクは初期の銅盾級から一つ上がり、鉄盾級となっている。
「みにゃさん、見てくださいですにゃ。私、鉄盾級になりましたにゃ!」
にゃん民: 鉄盾級おめ!
にゃん民: 序盤でランクアップいい感じ
にゃん民: ゴブリン余裕だったもんな最近
ステータスウィンドウを開くと、素のレベルや能力が以前より上昇している。
---------------------
名前: 猫神ルナ
レベル: 20
登録者数: 50,000
平均同接: 1,000
攻撃力: 100
防御力: 99
素早さ: 99
スキル: ネコ発勁(はっけい)、にゃんこ百烈掌
---------------------
「レベル20になったにゃ!
攻撃力100、防御力99、素早さ99……素の強さでも初心者冒険者レベルになってきましたにゃ!」
にゃん民: 1週間でここまで強くなるとかチートw
にゃん民: 登録者5万、平均同接1000超えもすごい
にゃん民: 人気も実力も伸びてる感じだな
昼下がり、ルナはシアの家で併設されている宿屋の一角で、テーブルに並べられたご飯に舌鼓を打つ。
香ばしいパン、旨みたっぷりのスープ、そして濃厚なシチューが今日のメニューだ。
「はぁ…美味しいですにゃ。
みにゃさん、いつも応援ありがとうですにゃ!
みんなが見てくれてるから、こんなに頑張れるんですにゃ!」
にゃん民: 今日もルナちゃん可愛いな
にゃん民: 食事配信たまらん…
にゃん民: 褒められるとやる気出るw
ほっこりした雰囲気に包まれた宿屋だったが、その空気を裂くように、外からバタバタと足音が近づいてくる。
ガラッ!
宿屋の扉が勢いよく開き、町人らしき男が転がり込むように入ってきた。
息を切らし、顔には血の気が引いている。
「大変だ!スタンピードが発生した!」
「す、スタンピード!?」
ルナは驚きに目を見開く。
コメント欄も一気に騒然となる。
にゃん民: スタンピード!?
にゃん民: なろう異世界定番の魔物大量発生イベントじゃね?
にゃん民: これはヤバい展開きた
緊張が宿屋に走り、シアも顔をこわばらせる。
穏やかな昼食から一転、街が危機に瀕していることを告げられ、ルナは再び気を引き締める。
「みにゃさん、これは大変ですにゃ……!」