スタンピード発生の報を受け、ルナはシアと共に急ぎギルドへ向かった。
街の通りはざわつき、人々が慌ただしく行き交う。
緊張感が空気を重くし、あちこちで「スタンピードだって!」「本当に!?」という声が飛び交っている。
「みにゃさん、これは大変なことになりましたにゃ……」
にゃん民: スタンピードとか大事件すぎ
にゃん民: これは大規模戦闘回くるぞ
にゃん民: 気をつけてルナちゃん!
ギルドの中は冒険者たちでごった返している。
荒くれ者や剣士、ローブ姿の魔法使い風の人物たちが集まり、いつにも増して殺気立った雰囲気だ。
「冒険者の皆さん、こちらへ!」
受付嬢がカウンター越しに手を挙げると、ざわめきの中、冒険者たちが注目する。
「スタンピードが発生しました。
通常、スタンピードは近隣ダンジョンの魔物が溢れ出すことで起こるものです。
しかし、今回は定期的に現れる予兆が一切なかったんです。
何かがおかしい……」
受付嬢は不安そうに唇を結び、続ける。
「とはいえ、斥候が確認したところ、主要なモンスターはゴブリン、ホフゴブリン、オークなどの鉄盾級冒険者でも対処可能なランク帯が多いとのことです。
つまり、この街の冒険者戦力なら、ギリギリ対応できる……はず!」
にゃん民: よかった、一撃で終わるヤバい奴じゃないならルナちゃんにも勝機ある
にゃん民: ゴブリンやオーク相手なら、ルナちゃんのスキルでいけるんじゃね?
にゃん民: でも大量発生なんでしょ?油断禁物
「鉄盾級以上の冒険者には、街の正門に集結して、押し寄せるモンスターを減らして欲しいと領主様から依頼が出ています。
皆さん、どうか力を貸してください!」
冒険者たちは一斉に頷き、武器を手に正門へ向かうために動き出す。
「私、鉄盾級になったから、この依頼に参加できますにゃ!」
にゃん民: おお、ルナちゃん参戦確定!
にゃん民: さっきまで飯食ってたのにもう戦闘モードw
にゃん民: 異世界の洗礼だな、がんばれ!
ルナは息を整える。
登録者数も増え、同接も高まる中、彼女は力を発揮できるはずだ。
「みにゃさん、私、街を守るためにも行ってきますにゃ!
この世界で、みんなが見てくれているから、きっと乗り越えられるはずですにゃ!」
シアは心配そうな顔をするが、「私も薬屋としてできることがあれば手伝います」と微笑む。
「がんばってください、ルナさん!」
「ありがとうございますにゃ、シアさん!
みにゃさんも見守っててくださいですにゃ!」
冒険者たちの後に続き、ルナは正門へと急ぐ。
街の運命をかけた戦いが、いよいよ始まろうとしている。