インターネット中がVTuber鬱猫シャムの暴挙に揺れていた。
鞠茉莉まる、木阿弥もとのといったVTuberたちが次々と襲われたという報せが瞬く間に拡散し、SNSサイト「ツブヤイッター」でも怒りと憤りの声が広がっていた。
「なんなのあれ……」
「人間性疑うわ、どういう育ち方したんだ」
「VTuber狩りって、正気の沙汰じゃない」
「ゲームちゃうねんで?」
「開示請求はよ」
ツブヤイッター上には、次々とシャムを非難する投稿が集まる。
画像や切り抜き動画が大量にアップされ、まとめサイトも「シャム最悪」「VTuber界の疫病神」など、辛辣なタイトルを掲げる。
その中で、シャムの過去が再び掘り起こされていた。
シャムは何度も問題を起こし、過去にいくつも転生を繰り返してきた。
ある時は大手事務所に所属していたが、マネージャーと不倫関係を結んだうえ、マネージャーが既婚者であると知るや発狂。
配信でマネージャーを晒して醜態を晒した。
「しかも同期VTuberがそれを諌めたら、そのVTuberの個人情報まで掲示板に晒したって話だぞ」
「完全にやりたい放題じゃん」
古いファンたちが「そういえば前世のシャムは問題児だった」と語り出し、考察勢は「何度も転生してるってことは、元々から性格に難がある」と指摘する。
「まあ、事務所もあれで契約解除したらしいし…」
「それ以降も転生しては問題起こしてるみたいだぞ」
シャムは炎上の渦中に放り込まれていく。
中身や設定がバレて叩かれるVTuberは珍しくないが、ここまで悪評を積み重ね、なおも他VTuberを襲撃するなど前代未聞だ。
「こいつ異世界でまで悪行繰り返してんのかよ…」
「もう誰も擁護できないだろ…」
ヘイトがヘイトを呼び、シャムのイメージは急落していく。
もちろん、シャムを支持する熱狂的ファンもまだ残っているが、その声は相対的に小さく、否定的な意見の洪水に埋もれかけている。
世間は不安と怒りに包まれ、VTuber界隈にも不穏な空気が漂い始めた。
シャムの炎上は、これからどこまで拡大するのだろうか。