「そろそろ食料調達する時期かなぁ」
玉座に肘を付いて、魔王は溜息を吐いた。
人間の国に行くのは面倒だから、気が乗らない。
「魔王様自ら赴かれる必要はございません。人間狩りは魔王軍に任せて良いのでは?」
シャムルの言う通りではあるのだが。
「それがさぁ、ちょっと前に来た勇者パーティが強くてねぇ。魔王軍、半分以下になっちゃったから魔族不足なんだよね」
シャムルの顔が曇る。
記憶を手繰るように考え込んだ。
「ちょっと前とは、どれくらい前で?」
「百年前くらい前かな?」
「なるほど、それが魔族の時間間隔なのですね。百年前は、ちょっと前……」
人間だと、人一人の寿命くらいだから、ちょっと感覚が違うかもしれない。
「魔族って長生きだけど、人間みたいにホイホイ生まれるわけじゃないから、一回減るとなかなか増えないの」
だから、滅ぼそうと思えば簡単なのだ。
ただ、ガチ強いというだけだ。
「私のように人間を魔族に作り直せばよいのでは?」
シャムルの提案に、魔王は浮かない顔をした。
「シャムルみたいに気に入った人間なら欲しいけど、そうそういるわけじゃないしね。何でもいいわけじゃないし、数が多ければいいってワケでもないからねぇ」
魔王の隣に立っていたシャムルが玉座に昇った。
魔王の上に乗って抱き付くと、股間を擦りつけてヘコヘコする。
「魔王様に気に入っていただけて光栄です。今日も大好きなデカちんぽを愛してもよろしいでしょうか」
「ん、いいよ」
玉座から下りたシャムルが魔王の股間に顔をスリスリする。
すっかり勃起したちんぽを咥え込んで、シャムルが至福の顔をした。
(このアングルのシャムルの顔がどちゃくそ可愛い。めっちゃ嬉しそうに咥えてる顔がちんぽにクる。気持ちぃ)
シャムルの心臓は魔王の一部になった。
お陰で打ち明けられた想い以上の恋慕が流れ込んでくる。
日増しにシャムルが可愛く思えてくるし、愛おしく思う。
だから、甘やかしすぎないように気を付けていた。
(魔王が好きとか言ったらシャムルの心が氷ばりに冷めそうだからなぁ。それはそれで面白そうだから試してみたいけど、エッチできないのは困るしね)
髪を緩く撫でながら、頭の後ろを持って強く股間に押し付ける。
突然喉奥まで突かれたシャムルが嗚咽に耐えて目に涙を滲ませる。
(やっば、苦しそうな顔、ぃぃ)
「ぃひっ、ぁひゃっ……、ぁはは! あへ、あへぇ……」
突然、外からイってる感じの嬌声が響いた。
淫魔植物に拘束されたヘルが触手のような木の蔦に尻穴を掘られまくっている。
「また捕まったんだ。なかなかメスになれないね」
勃起して射精したら淫魔植物の養分になる貞操帯を付けたヘルは、ランドールのメス調教ですっかり堕ちた。
だが、まだ時々、ああやって淫魔植物の餌食になっているから、射精してしまうんだろう。
「わざと射精して捕まっているんですよ。ランドールのお陰でヘルはすっかりメスです」
氷のような冷めた目でシャムルがヘルを苦々しく睨んだ。
「そうなの? 養分になるの、楽しいのかな」
「ランドールがガイルとばかり遊んでいるし、魔王軍の玩具は今、充実しているので。アレはヘルの自慰みたいなものです」
期待外れとか言っていた割にランドールはガイルがお気に入りだ。
魔王軍の輪姦用の玩具は二体いるから、充実している。ヘル的に物足りないんだろう。
「かまってちゃんか……」
シャムルが窓に氷のヴェールを降ろした。
魔王の上に乗り、自分の尻穴をデカちんぽに押し付ける。
「魔王様は私の雌穴で気持ちよくなってくださいませ。植物で自慰する悪魔など、魔王様の視界に入れる価値もございません」
賢者だったフィオナと同じように、ヘルの神聖な力を闇で染めたら、悪魔に転嫁した。
フィオナとヘルは核を使わなくても立派な魔族になった。
(ヘルクラインて、あんな子だけど、やっぱりスペックとポテンシャルは高かったんだろうな。性格もいい感じに悪魔になったし、良かったよね)
ランドールのメス調教がきつかったのか、悪魔になった途端に人間だった頃の記憶を失くしたヘルは、人間を喰うのが大好きな悪魔になった。
少しずつ、魔王軍の魔族不足が解消されそうだ。
(相変わらずシャムルはヘルが嫌いみたいだけど。それはそれで面白いから良き)
魔王は腰を強く突き上げた。
「ぁぁ! おくぅ……きもちぃ……、魔王さまぁ……ぁん、ぁんんっ」
突き上げてぐりぐりと擦り上げる。
シャムルが魔王の首に縋り付いて涙目になっている。
震えて感じている顔が可愛くて、噛みつくように口付けた。
(何か忘れている気がするけど、ま、いっか)
日増しに感度がよくなって魔王専用雌穴になるシャムルが可愛くて仕方がない魔王様なのでした。