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第36話 違い

ドナドナというべきか、宇宙人の写真のアレというか、俺の左右は固められて、後ろからは里穂さんが追従してくる。

俺たちはゲームセンターから外に出て、連れられるままに道を歩いているけど、この道は見覚えがある。

例の施設までの道だ、これ。

それもこれも、ゲームセンターの中での話だ。


「ねぇ、答えて。わたしとシたいって思ってくれる?」


「えっと……急すぎてなんと言えばいいか」


「なら待つからぁ、よ〜く考えて」


高校1年生とは思えない色気でリナリタさんが迫ってくる。

ならば。


「ヤる事やったら子供が出来るかもしれないんだよ? 本当にいいのか?」


由美さんの時と同じ質問をしてみたんだけど。


「わたしのお母さんは12の時に初体験を済ませて、14の時にわたしを産んでるのよぉ〜、どっちもまだのわたしは遅れてると思わない?」


クロスカウンターで一発KOだった。家庭環境が強すぎる。そんなこと言われたら、もう反論が見当たらない。

あとは俺の感情と体の問題だけど、それは無問題なのだった。


結果、すぐにゲームセンターから出ることになった。

さっきまでやってた横スクのアクションゲームのゲームオーバー画面がまだ目に焼き付いてる。


今は鼻歌混じりで歩いてるリナリタさんと、逆サイドに由美さんが固めている状態だった。

里穂さんも、別に逃げないから監視みたいに俺の後ろにいなくてもいいのにな。


「オ、オレはヤラないからな!」


「俺は何も聞いてないだろ……ならなんで付いてくるんだよ?」


「あの施設に行くんだろ? 後学のために見ておいて損はねぇと思ってな」


「何人でも男の子といれば無料は変わらないし、心配は無用ですぞ」


いつぞやの緊張はどこへやら。

慣れたのか由美さんもノリノリで歩みを進めていく。

施設に着くと、また由美さんが受付してくれて部屋に案内された。

中の豪華さは相変わらずだけど、今度は西洋風じゃなくてアジアンテイストだ。

金を基調にして、色んな模様や色があって綺麗だ。

中に入ってからは3人とも違う反応を見せてくれてる。

リナリタさんは興味深そうに色んな引き出しを開けたり、ベッドの柔らかさを確認しているし、由美さんはノリノリで湯船にお湯を溜めだしているし、里穂さんは固まって全く動かなくなった。


「いや、ちょっと待って。由美さんも?」


「え? ここまで来て仲間ハズレは嫌ですぞ」


いや、仲間ハズレとかそういうつもりは無いけど……。

もう、一度してしまってるし、今更なのか?


「分かった、でも同時の経験なんかないから、順番で!」


「それなら、わたしが最初よねぇ?」


リナリタさんがするりと俺の首に腕をまわしてくる。

本当にこの人未経験なのか?


「む! ウチも早くして欲しいのに!」


「先週シたんでしょう? それなら譲ってくれても良いじゃない」


「1週間もあれば溜まるもんは溜まりますぞ!」


なんで喧嘩になるんだよ……。


「なら最初はリナリタさんで、その次に由美さんで!」


「んふふっ ありがとぉ♡」


「ぐぬぅ……分かりました」


そんなこんなで、リナリタさんの希望で一緒にお風呂に入ることになったけど、全身を隅々まで手で磨かれることになった。


「お母さんが昔こういう風に男の人にしてあげてたんだってぇ、わたしもやってみたかったの……」


「リナリタさんのお母さんは男との経験があったのか」


「そうねぇ、よく話は聞いてたわ〜。それと、わたしの事はリナリーって呼んで」


「分かったよ、リナリー」


「あぁ……♡」


そこからはお風呂で少し絡み合ってからベッドでリナリーが燃え尽きるまで続けてしまった。

いつぞやの由美さんみたいにガニ股という訳では無いけど、普通にスヤスヤと眠っている。


「さて、次は由美さんか」


「なんと言いますか、外から見てると凄いですな……あんな乱れてるリナリーは初めて見るかも……?」


同意を求めるように由美さんは里穂さんを流し見る。


「オレに聞くな!」


里穂さんは顔を真っ赤にして腕を組んで椅子に座ったまま動かない。

後学のために見ておきたいというのは本音なのかもな。


「それで、する? しない?」


「あ……お手柔らかにぃ……ふへへ」








ミッションコンプリート!

ゲームをやった後だからなのか、ヘヴィマシンガンを持った軍人が俺の中で笑って称えてくれた。

ありがとう〇ルコ、頑張ったよ、俺。

由美さんは相変らすことが終わるとガニ股になるようで、俺はなるべく見ないようにそっと隠してあげた。


「すげぇな、ヤルとこんなになるのか……」


相変わらず顔を真っ赤にして、里穂さんは椅子に座りながら感想を吐き出していた。

リナリーと由美さんは一緒にダウンしてしまった。

俺も流石に2人を短時間で相手にするのはキツイな、橘さんと朝倉さんの時はインターバルがちょっとあったからな……。

俺は下着とガウンだけを着て、ベッドの縁に腰を降ろす。


「お前もすげぇな、キツくないのか?」


「そりゃキツイけど、したいって欲はあるからな」


「欲のためって……だって男って出すと凄く痛むんだろ?」


ん? なんだそりゃ。


「いや、痛くないぞ」


むしろ逆というか、まぁ皮が被ってると痛いとか言うよな。


「嘘つくなよ、無理しなくてもいいって」


「いや、嘘なんかじゃ……」


「お前が優しいのは分かったから。そんな子供でも知ってるような事で嘘つかれても、オレもどんな顔すりゃいいのか分からねぇよ」


なんだ、まるで俺が間違ってるような言い方をするな……。

男が出すと痛い?

いや、神埼少年の体は痛まないぞ……どういう事だ?

里穂さんからは俺を騙そうという雰囲気は見て取れない、真剣そのものだ。

そういや、精子バンクの時に不快感と精神的苦痛があるって橘さんも言っていたな……。


「おい、どうした? 顔色が悪いぞ」


「いや、何でもないよ」


「ったく、男が無理すんなって。待ってろよ、美味く出来るかは分からねぇけど、お茶くらい入れてやるから」


里穂さんは真面目に俺の事を心配してくれてる。

なんだ、この違和感は……。

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