言葉通りの意味を、頭で理解させる。
喧嘩がどんどん大きくなって、それが受話器の声が言う戦争になるのだろうとは想像できる。
理屈として理解はできる。
――でも、、、
そんなことで、本当に殺し合いに発展するのだろうか?
「ホンマに? マジで?」
素直に聞いていた。
「ホンマやがな。メモっとけメモっとけ」
「あ、ペン無いわ、、、」
「
佳穂の疑問は続く。
「何でそんな事になってんの?」
「話し
「
「わかった解った。でもホンマその前にそのスマホの電源落とさなアカンわ。居所すぐバレる。えぇか、今から言うトコに行き。
「え? 何で?」
小さい子供に言い聞かすよう、ゴキゲンな声は少し真面目モードになった。
「夕方過ぎたらエレクトリック・ゴーストがウヨウヨしだしよる。小さいエレクトリック・ゴーストって、いたずらが好きで何でか半導体見つけたらスグにちょっかい出してきて悪さしよるんや」
「? 半導体って、、、?」
「電化製品の中に今や絶対入ってるモンや」
「へぇ~」
佳穂は電話の声が何を言いたいのかが、半分も解らなかった。
それでも、声は質問にちゃんと答えてくれてるという事は、何となく感じることが出来た。
「しゃーから見てみぃ。車も慌てて結界内から出て行っとるやろ」
確かに、言われて見れば、、、。
視界に入る、車が無い。
「うん、ホンマや。確かにもう走ってへんな」
「今や車もバイクも電気制御付いとるからな。走ってる最中にいたずらされてみい、マジで事故るからな」
「マジで?」
「マジや言うてるやろ、メモっとけメモっとけ」
「
「それにな、
それは瞬間的に理解できた。
何せ現に今、このご陽気でゴキゲンな知らない男とスマホを通して話しているのだから。
それでも関西人は、絶対に言ってしまう言葉がある。
「嘘やん!」
佳穂も関西人。
思わずそう言っていた。