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稚知謀大 参 その4

モノアイとの会話は続く。


 「でもこれ関西だけらしいで」

 「? そうなん?」

 「関東のEG使いはな、みんな本名名乗ってるらしいで。アホやな。身元バレバレやん」

 「バレても何とも無いんや」

 「そんな事も無いと思うねんけどな。家族とか知人とか、人質に取られたり、狙われると思うねんけどな、、、」

 「やっぱ東京は、性格が洗練されてるんかな?」

 「ハイ。関西バカにした!」

 「ちゃうやん!」

 「地元敵にまわした~w」

 「ちゃううてるやん!」

 「解ったわかった。そゆことにしとくわ」

 「しょーゆー事www」


 爆笑。

 モノアイがリラックス出来るように、自分に明るく対してくれているとメチャクチャ感じる。

 気持ち的に助かっている、、、かなり。


 「それより、EG使いの話は?」

 「そやな、、、」


 コホンと咳払い。

 改めて、モノアイが話し始めた。


 「半年前の事件、俗に言う速水颯太の事件は知っとるやろ」

 「有名やからな」

 「あのおかげでエレクトリック・ゴーストが結界ん中をうようようごめくようになったんで、大阪環状線の内側は生活様態が一気に変わったんや」

 「そやろな」

 「速水颯太の事件以後な、環状線の内側に当たる地域は“結界内”って呼ばれて、太陽がこうゆ~っくり、、、」

 「“こう”とか言われても解らへんで。見えへんのに!」

 「うるさいな! しゃーから太陽が沈み始める頃になるとな、待ち構えていたように青白い光が発光し始めよる」

 「うん、、、」

 「それが、EG波で、エレクトリック・ゴーストに成るヤツや」

 「ユーチューブで観たやつやね」


 ここへ来る前に、予習した事だ。

 映像を思い出しながら、モノアイの言葉を受ける。


 「浮遊していたEG波が、活発に活動し始めよる。低級のEG波は、ほこりのように軽く風でフワ~っと流され浮遊しよる。それが何かの拍子にぶつかり合うとな、引っ付いたり、離れたりを繰り返しよんねん。それが段々大きなって、エレクトリック・ゴーストになりよんねん」

 「あ! それも観たわ」


 多少の知識は有るのだと、モノアイは感心。


 「ほんなら現象を話してみるか」

 「現象?」

 「そや、ま、EG使いの基礎知識として勉強しとき」

 「メモっとくんやね」

 「せや! 分かっとるな」

 「はよう話して」

 「オマエは、、、まぁえぇわ」


 口答えする佳穂が、可愛くて仕方がない。





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