〝シャワワ〜ン〟
プリティ・プリプリメーラこと
なぜ、前話ラストから、急に場面転換したのか?
それは、物語の展開上の関係である。
決して
ましてや、漫画じゃない文字だけの〝なんちゃってライトノベル〟な、この作品にシャワーシーンを描写しても、お色気要素になってない事に全く気がついてない事もここだけの話である!
(ジュリアナめ!昨夜はよくもやってくれたわね!
エリーザは、浴室内で大量にゲロを吐かせられた屈辱を思い出して、ジュリアナとマハラジャに対する怒りに震えていたのだった。
マハラジャは、ジュリアナが陣生のゲロによって封印を解かれた影響で体がゲロ臭くなってた事を知らなかったので、エリーザの完全な逆恨みである。
……シャワーを終えた彼女は、着替えて『め〇ましテレビ』を観ながら朝食を取っていた。
和食派であるエリーザの今朝のメニューは、白米に納豆、目玉焼きと味噌汁に加えて、主であるマハラジャを漬物石にして作った漬け物である。
〝ポリポリ コリコリ〟
「うーん!この漬け物美味いわ〜!やっぱり〝漬物石〟が良いからなのかしら?マハラジャ様には、ずっと漬物石でいてもらってもアリかも?」
自ら『マハラジャ様の忠実な下僕の魔法少女』と名乗っていたクセに、忠誠心の欠片も無い
〝ピンポーン♪〟
その時、インターホンのチャイムが鳴った。
「え?こんな朝早くに誰よ?無視!無視!」
〝ピンポーン♪ピンポーン♪〟
しかし、チャイムの音は、居留守をしようとする彼女の心を見透かしたかのように、何度も室内に鳴り響く。
[うーむ、五月蝿のう!
エリーザの脳内に、目覚めた漬物石……じゃなかった!マハラジャの声が聞こえる。
ちなみに、彼女のマンションは2DKであるが、この範囲ならば室内のどこにいてもマハラジャの声は届くのであった。
「あ、おはようございます!マハラジャ様!……っていうか、プリプリプリって呼ぶなつってんだろーが!ワザと言ってんの!?」
昨夜の事で苛立っていたエリーザは、プリプリプリと呼ばれた事に対してつい声を荒げてしまう。
[ホ、ホホホ。朝から元気よのう。でも、そんなに怒られると妾悲しい……。泣いちゃうぞよ!グスン]
「あー、ワタシ様……じゃない。
[ほ、本当?怒ってない?妾の事を嫌いじゃない?]
エリーザの謝罪の言葉を聞いて、落ち込んでいたマハラジャの声のトーンが高くなる。
「怒ってません!大好きですよマハラジャ様♡」
[わーい!妾もプリプリプリ大好きぞよ♡]
「だから、その呼び方は……はあ、もういいです。好きに呼んでください」
何だかんだ言っても、マハラジャの事は嫌いになれないエリーザであった。
〝ピンポーン♪ピンポーン♪〟
「もう!さっきから五月蝿いわね!誰よ?」
インターホンカメラで確認すると隣人の
(隣田!?何でこんな時間に?お裾分けは、今まで夜しか持ってこなかったじゃない?まさか、
「ウボエエエー!」
トイレに駆け込んだエリーザは、朝早くなのに豪快に〝
「うう、気持ち悪い〜」
吐き終えた彼女は、再びカメラで外の様子を確認したが、隣田はまだ玄関先に立っていた。
「警察呼んだほうが良いのかしら?」
だが、その直後、彼の様子が〝いつもと違う〟事に彼女は気がついた。
隣田は虚ろな目をしてヨダレを垂らしていたが、驚くべきことにその体から〝魔力〟が感じられたのである!
「どうして、人間である隣田から魔力が!?」
[プリプリプリよ!気がついたか?]
エリーザの脳内に、マハラジャの声が聞こえる。
「は、はい!マハラジャ様!これは一体?」
[外の男から感じる魔力は、妾たち魔界の者と同じ種類のようだ……というより、プリプリプリよ。
「ええ〜!マハラジャ様、正気ですか!?部屋に入れたら、アイツ何するか分かりませんよ?」
[大丈夫ぞよ。妾の予想が正しければ、あやつは、おヌシに危害は加えん。もしも襲ってきたら得意技の〝サンポ進んでニホンザル〟で退治してやればいいぞよ♡]
「マハラジャ様ー!もしかして、それは水前〇清子の『三百六十〇歩のマーチ』の歌詞を元にしたボケのつもりですかー!?今の若い人知らないだろうし、JAS〇ACに怒られそうだから、そんなネタはお止めなさーい!あと、私の得意技は〝コマンドサンボ〟ですからね!ボケるならツッコミ役の事も考えて、もう少し分かりやすくしてくださいよぉぉー!ほとんど合ってないじゃないですかぁぁー!」
くじけるなエリーザよ!本来のツッコミ役である陣生が不在なので、今回は上司である君に頑張ってもらうしかないのだ。
[ホホホ。プリプリプリは本当に面白いのう。いいから、早く扉を開けるぞよ]
「どうなっても知りませんからね」
〝ガチャ〟
玄関の扉を開けた途端、隣田はエリーザの足元に跪いた。
「偉大なるエリーザ様。貴女様の下僕である隣田めにご命令をお与えください!」
「下僕?命令?隣田……さん、何を言ってるんですか?」
[ホホホ。思った通りじゃ。
(え?そんなのこっちが聞きたいわよ!私、隣田に何かしたかしら……あ!もしかして?)
エリーザの脳裏には、昨夜、隣田が持ってきた〝もんじゃ焼き〟と、彼の加齢臭のせいで、その顔面に盛大にゲロを吐いた事が浮かんだ。
「あ、あのーマハラジャ様。私アホほど〝
[え?
「だから、コイツの顔面にゲロをぶちまけちゃったんですよー!」
そう言ったエリーザは、何故か急に恥ずかしくなってしまい顔を真っ赤にして俯いてしまう。
[えー?汚ーい!エンガ〜チョぞよ!]
「マハラジャ様、小学生みたいな事を言わないでください!……多分、今の小学生でも〝エンガチョ〟なんて使いませんよ!」
[すまん。冗談じゃって。それよりも、この男に魔力が宿った理由が分かったぞ!
「んなアホな!?」
[しかし、それ以外に説明出来る理由があるのか?]
「う!そ、それは……」
他に心当たりが思いつかないエリーザは、マハラジャの言葉に反論出来なかった。
[でかしたぞプリプリプリよ!おヌシのゲロを人間に〝ぶちまければ〟、妾達の意のままに動く魔力戦士に変えられるんぞよ!名前は何にしようかのう?……そうじゃ!ゲロで生み出される
「そのネーミングセンスは、どうかしてますからー!あ、あの~マハラジャ様、私は今モーレツに嫌な予感してるんですが、もしかして……」
[ピンポーン♪ぞよ。妾の目的達成の駒となるゲロるじゃ〜を増やすため、おヌシは沢山の人間どもにゲロを〝ぶちまける〟のじゃ!]
「嫌な予感的中ー!それって〝そういうフェチ向けの出張店舗〟みたいになってるじゃないですか?私は1回ゲロ吐くと、いくら貰えるんですかー!?」
「プププ。エリーザ様、そんな事を心配する必要はありませんよ。ゲロるじゃ〜は、この隣田1人で充分でございます」
跪いたままの隣田がキショい笑顔を浮かべて、エリーザに言う。
「本当に私の命令通りに動くの?……っていうかさ、私とマハラジャ様の会話が聞こえてたの?」
「プププ。ええ!それは
「あー、特に無いから帰っていいわよ。あんたも仕事あるんでしょ?」
手下になったとはいえ、隣田が嫌いなエリーザは、自室から出ていくように命じた。
「う、うぐ!エリーザ様、隣田は
「はあ?その
「し、死んだ親の遺産がありまして、それで払っております」
「うわ〜!ますます引くわ!でもさ、
「…………」
「何で黙ってんの?もしかして、
「う!グス!ヒック!うわーん!」
「隣田、どうして突然泣いてんのよ?私の質問に答えなさいよ!」
エリーザよ、もうやめたげてえぇぇー!!本人から聞かなくても〝答え〟は分かってるんでしょ?
これ以上は、隣田にとって〝OVERKILL〟なのよー!!
……こうして、魔法少女プリティ・プリプリメーラが吐く〝ゲロ〟と、その中に含まれる〝魔力〟を人間が吸う事により、魔力戦士〝ゲロるじゃ~〟が誕生する事が判明しちゃったのだ!また新たなる〝ゲロ要素〟の追加である。
ああ!どうして、この物語は〝
ちっきしょうー!!どこのバカだ!?こんな流れにしやがったのは?出てこいやー!……って、
……というわけで、今回はここまで!
え?痴漢扱いされた陣生の事に全く触れてないから、前話のラストと言ってる事が違うって?
あ、あー!こ、これは、ほ、ほら、そ、そのアレだよ!
……今回は、本当スンマセンでした!次話こそは、前話の続きをマジで書きます!だから、見捨てないで!次も読んで!頼むからー!
※忘れた人は〝2ゲロ〟を読んでね!……べ、別に内容を覚えてても、何度も読み直しても良いんだからね!フ、フンだ!