陣生とジュリアナの2人による〝ゲロ直下型大爆撃〟を受けた〝
「これどうすりゃいいのよー!」
陣生(魔法少女)の叫びが響く。
[そんな事言ったって、どうしようもないじゃん。ダイジョビ♡ダイジョビ♡ゲロ吐いたくらいで誰も死なないわよ多分♪それよりも早く逃げた方が良いんじゃない?グズグズしてるとトイレの中の妖怪ババアや、マリアとかいうクソうるせー女が追いかけてきちゃうよ?]
まるで他人事のようなジュリアナの声が、彼(彼女)の脳内に聞こえる。
「ジュリアナちゃん、今の状況を本当に分かってるー!?痴漢騒動だけじゃなくて、女子トイレ侵入、さらにゲロリスト戦犯までやらかしちゃったじゃないのよ!ワチキ、もう明日から電車に乗れないわよー!」
魔法少女に変身した時は女性言葉で話すのが、すっかり板についてきた陣生(魔法少女)のツッコミが、ジュリアナに炸裂する。
[別に電車なんか乗れなくても良いじゃん?何か困るの?こんな事くらいで、陣ちゃん心配し過ぎだって!どうせ明日になりゃ、誰も陣ちゃんや、ワチキの姿なんて覚えてないわよ]
「電車乗れないとワチキ、明日から会社に行けないのよ?そうなるとクビになってお金無くなるからジュリアナちゃんにも精気分けられないわ?それに人間が覚えてなくても、ワチキ達の顔や行動は、バッチリ録画されてるのよ!そこの防犯カメラに!」
そう言って陣生(魔法少女)は、近くにある防犯カメラを指差す。
[へ?そうなの?ふーん。現代の駅には、こんなカメラが付いてるんだ〜]
「そこだけじゃないわよ!駅のアチコチに同じカメラが付いてるから、ワチキが痴漢扱いされて電車から降ろされた所から、女子トイレに入る所まで録画されちゃったりしてるんだわさ!その映像を観れば警察が逮捕しに来るわ!もうワチキの人生オシマイよー!うわ~ん!」
陣生(魔法少女)は、人目も気にせず泣いた。
本来の45歳社畜オジサンの姿であれば『いい歳してみっともない』とか、『見苦しいんだよオッサン!』などと周りの人達から非難されそうだが、今の彼(魔法少女)は見た目10歳くらいの少女である。
むしろ、周りの人々は同情して『どうしたの?お嬢ちゃん?もしかして迷子なの?』とか、『ハァハァ!何泣いてるんだい?お兄さんが良い事して慰めてあげるから、もう大丈夫だよ!』などと優しく声をかけてくれるに違いない。
……後者の方は、明らかに心配じゃなくて、エロい事が目当てのような気がしないでもないが、きっと気のせいなのだ!そうに決まってる!
それにしても、今の日本にはもう少しオッサンが人前で泣いても許される風潮があってもいいんではないだろうか?
それだけ、現代日本人の心には余裕が無いということなのか?嘆かわしい事である。
……と、作風に合わない社会風刺めいた事も書いてみたりしちゃう♪
何故ならば、たまにはインテリジェンスな所も見せておかないと、
このセコいかつ、自己中なやり方こそが、作品の質と作者のイメージアップを同時に行える画期的なこの作品独自の〝新表現方法〟なのだ。
これは、芥川賞を通り越してノーベル賞受賞間違いなしな予感がする!
だから、これから東京特許許可局に特許許可申請というベロを噛みそうな手続きを行う予定なので、パクらないで頂きたいのであ〜る。
あー!億万長者になる予感しかないウハウハ気分な所で、話の続きをしちゃうわよ♡
[な〜んだ。そんな事?陣ちゃん、そんなら大丈夫よ。要するにカメラに映像が残ってなきゃ良いんでしょ?ワチキの魔法で何とかなるから]
「ほ、本当!?それじゃ何とかして欲しいわよ」
ジュリアナの言葉を聞いた陣生(魔法少女)は、泣き止んで明るい表情になる。
……と思ったのも束の間、急に嫌な予感がしたので、一転して不安気な表情になっちゃったのだ。
「まさかとは思うけど、
[えー?ダメなの?それが1番手っ取り早いじゃん]
「ダメに決まってるわよー!そんな事したら器物破損罪も加わってワチキ達の罪がますます重くなるじゃないのよ」
[アハハ!冗談だってば♪]
「ジュリアナちゃんが言うと、冗談に聞こえないのよー!」
[今度はちゃんとした魔法だからダイジョビ!その代わり、陣ちゃんの精気を少し多めに
「パチンコ?いいわよ!連れてってあげるから、頼むわよ」
[陣ちゃん、右手を見てみ?いつの間にかハートの付いたステッキ持ってるでしょ?それの先端をカメラに向けて]
「ほ、本当だ!……って、これ昨日も同じパターンだったわ。カメラに向ければいいのよね?」
陣生(魔法少女)は、ジュリアナの言う通り、ステッキを手近の防犯カメラに向ける。
[よーし!準備完了!〝
ジュリアナが呪文を唱え終わると同時に、ステッキの先端から虹色の球が発射され、カメラに命中した。
しかし、少なくとも見た目的には、特に損壊したような様子は見られない。
「ジュリアナちゃん、これはどんな魔法なの?」
[今から60分間カメラが映像した記憶を全て消滅させる魔法よ!今、球を当てたカメラを通して大元の、えーと、
「ジュリアナちゃん、やっと、まともに魔法少女っぽい事をしてくれたわね!……っていうか、今の〝
子供時代にファミ〇ンのドラ〇エ3を遊んだ事のあるオジサン世代にしか、
分からないツッコミをする陣生(魔法少女)であった。
〝ガシッ!〟
その直後、彼(彼女)は、背後から何者かに肩を掴まれたのを感じた。
「ちょっと、チビガキー!ババの愛しのリトルボーイをどこに消したんだい?お前何か知ってんだろ?ババにリトルボーイを返してくれ!」
振り返ると、女子トイレ内でゲロを吐いて悶絶してたはずの〝妖怪・色情おババ〟が立っていたのであった。
「げっ?おババー!何で回復してんのよ?」
陣生(魔法少女)は、嫌気満載の顔をしながら、おババに言う。
「フン!よく考えたらババは、くたばる寸前だから鼻も匂いを嗅げないくらいブッ壊れてるからゲロの臭いなんか関係ないんだよ!このままじゃ、ババは欲求不満で逝けないんだよー!天国までイクためにリトルボーイを渡すんじゃーい!」
〝ボカチーンッ!〟
おババが、そう言った直後、陣生(魔法少女)の腕が本人の意志と関係なく、おババの
言うまでもなく、この一撃と意志は色情おババがウザいと感じたジュリアナの力づくによるものである
「ぐ、ぐえー!〝
〝ズズーン!〟
色情おババは史上最低最悪の台詞を言った後に、倒れて気絶してしまった。
「ジュリアナちゃん、こ、これ大丈夫なの?色情おババ死んでない?」
[大丈夫よ!手加減してやったし、このおババは、妖怪だから簡単に死なないって!それよりも、もう
「え?飛行魔法?ホームから脱出?」
[〝
ジュリアナの呪文が、陣生(魔法少女)の脳内に響くと同時に、その身体が浮かび上がる。
「ジ、ジュリアナちゃーん!タケ〇プターの最初の名前がヘ〇トンボなんて、ガチのドラえ〇んファンしか知らないからねー!う、うわー、身体が浮かんだー!?」
ツッコミを言いながら彼(彼女)の身体は、自らの意志とは関係なく、浮遊したまま駅のホームへと移動し、そのまま大空へ飛び出しちゃったのである……。
駅から脱出した陣生&ジュリアナは、これからどうなっちゃったりしたりするのだろうか!?
それは、次話の持越しになるのである……。