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第19話 ニーナとの話し合い

今日は金曜日。

普通なら仕事だけど例の事件で俺は貰った休みを満喫することにした。


えっと、生理は落ち着きました。


ニーナさんが色々教えてくれて、どんどん回復した。

流石現役の女性は違うよね。


一応昨日は職場に顔を出して、君島代理に何故か抱きしめられた。

思わず涙が出たのは内緒だ。


取り敢えず来週の段取りは問題なく終わっていたので、もう一人の花の担当である菊野原次長と打ち合わせをして帰ってきた。

菊野原次長は一応花の担当ではあるけれど凄く仕事のできる人でいくつもの業務を兼任している。

所謂スーパーサブで本所勤務なんだよね。

税金とかにも精通していて農家さんも頭が上がらない数少ない職員だ。


確か45歳くらいで、お子さんが二人。

あの人のおかげでうちの地域の花が全国区になったらしい。

普通次長って50代後半でしかなれないんだけど……

凄すぎです。


頭が良いのだろう。

次長の話はすごく解り易いし引き込まれてしまう。

今俺は女だけどこうなる前は同じ男として尊敬していた人だ。


『木崎は何も心配とか引け目とかいらないからな。お前は悪くない。これからも期待している。東京気をつけてな』


そう言って凄く優しい目で見てくれた。


凄い紳士だ。

目にそういう色が全く感じられなかった。

何気にこの体になってから初めてかもしれない。


流石奥様大好きな人だね。

まあ奥様凄い美人だけど。


俺もいつか菊野原次長みたいになりたいって思っていた。



※※※※※



俺はソファーで寛ぎながらある決心をしていた。

今日こそニーナさんと情報を共有しようと思っていたんだ。


ほんとは神様に会った日と思っていたんだけど……

体調不良と怖すぎる事件で今日になっちゃいました。

もちろん、ニーナさんの体を必要以上に触ったりはしていないからな!?

本当だぞ!?


こほん。


「ニーナさん、今良いかな」

『…うん。どうしたの』


あっ、今日はなんか機嫌良さそう。

上手くいきそうだね。


「あのね、この前俺、神様と話したんだ」

『えっ?いつ話したの?わたし知らないけど』

「あーうん。夢の中かな?……あの色々あった日なんだけど」


おうっ、なんかすごい同情の気持ちが伝わってきた。

やっぱりこの人優しすぎだね。


「それでね、ミッションの事なんだけど」

『………うん』

「少しだけヒントと、いい方法教えてもらった」

『っ!?……ヒント?えっ、どういう……』


動揺し始めるニーナさん。

そうだよね。

もしかしたら…だもんね。


俺は神様から聞いた話をニーナさんに伝えた。

だから色々聞かせて欲しいってお願いしたんだ。


『ねえ、それって大丈夫なの?まこと、死なないよね』

「あーうん。痛いだけらしいけど……ねえニーナさん、一度試してみようよ」

『えっ?試すって……』

「ちょっとヤバめなこと言おうとしてくれる?ああ、言わないでね?どういうふうになるか俺も知らないから」


ふうー、緊張する。

どうなる?


『うん。じゃあ……』

「うぐっ!?……うああああああっ!!!痛い、頭がっ、うあああああ!!!!!」


一瞬頭の中に赤い帯みたいなのが見えて、そのあと檄痛が走った。

うあ、やばい。

これマジで死ぬかも。


『ああ!?誠?ごめんね……大丈夫?』


しばらく頭を抱え蹲ってしまった。

ニーナさんに心配かけちゃった。


5分くらいしてようやく俺は話が出来るようになった。

この痛みはやばい。


「ニーナさんごめん。思っていた以上だった。……でも痛みが来る前に、警告が来たのは確認できたから多分大丈夫と思う」

『うん。ごめんね……でも……やっぱりやめよう?まこと、心配だよ』


俺は姿勢を正す。

覚悟は決まっている。


「ううん。これはニーナさんの為だけじゃないんだ。俺の為でもあるよ?だからさ、お願いします。俺に色々教えて。俺ニーナさんの事まだ全然知らないよ?可愛い事と、美人の事と、優しい事。あと異世界でお姫様だったことしか知らない。神様言っていたよ『すべて話してはいけないとは言っとらん』ってね」


これ本当。

あのあと考えてみたけどマジで知らないんだよ。

フルネームすら知らないもん。


『そっか。うん、そうだね。私何も教えてないよね。まことの事は知っているのに、フェアじゃないよね』


ん?

俺のこと知っている?

あれ、俺もあんまり伝えてない様な……


まあいっか。


そんなこんなで俺たちはじっくり話をしたんだ。

それでいくつか抜け道というか、抵触しない事が解った。


まあその最中に何度か俺地獄見たけどね。


つまり俺が推測して当たっていた場合、ニーナさんが肯定しても問題がない事に。

光が見えた瞬間だった。


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