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第30話 スキンシップをしよう

帰宅後、俺とニーナさんは久しぶりに話し合いを行った。


「あのニーナさん。さっきはごめんなさい。せっかく忠告してくれたのに」

『しょうがないよね。まことバイクに乗るとやんちゃになっちゃうし。でも次からは気を付けてね』

「うん」


あの男につかまれた二の腕が少し赤くなっていた。

女の子の体はデリケートだ。

痣になるかもしれない。


俺は男のくせに、あの時は本当に怖かった。

体に引かれて、もしかしたら心も少し女の子っぽくなっているのかもしれない。


そしてあの不思議な次長の奥様、たしか「さやか」さん。

いつか話をする必要がある。

俺はそう確信していた。


『まこと?でもあの人、いやな感じはしなかったよ。むしろ、なんだろ。……同情心?みたいな感じがした』


「うん。そうだね。……今度次長が電話番号教えてくれたら一度話をしてみるよ」

『その方が良いかもだね』


俺はため息をついて大きく伸びをした。


東京出張の時、聞いたニーナさんの好物……

確信を得た俺はニーナさんに問いかける。


「ニーナさん。……ニーナさんはさ……日本人だったんだよね?」

『っ!?……警告無いのね』

「うん」

『……そうだよ。日本人だった。高校2年生だったよ』


やっぱりそうだ。

この子は、ニーナさんは俺と同じ年の日本の高校2年生だったんだ。


逸る気持ちと恐怖心が同時に沸いてくる。

日本人で高校生が死ぬ人がどれほどいるのか?


俺には分からない。

でも、もしも………


『ねえ、もしさ、私があなたの知っている人だったら……どうするの?』


えっ?

これって核心じゃないのか?


警告すら走っていない?

どうして……


「えっ?それって……なんで?警告無いとか……えっ?」


悲しい雰囲気がニーナさんから伝わってくる。

正体を探れとかではないのかもしれない。


そうだ。


「あの娘の願いをかなえる」


それが俺のミッションだ。

正体を知るとかじゃない。

彼女の願いを知ってはいけない。

それだけだ。


でも……

推測してからの肯定は問題ないとあの爺さんが言っていた。

なら……


ダメだ。

恐い……


「……ごめんねニーナさん。俺……ちょっと混乱してる」

『うん。私もこれ言って大丈夫とは思わなかったから……ごめんね』


そして二人とも黙り込んでしまう。

時計の針が午後6時を指していた。

明日は地区の行事『道普請(みちぶしん)』がある。


「あー、明日地区の行事があるんだよね。ご飯食べてシャワー浴びちゃうかな。なんかあったまりたい気分」

『うん。あの男に触れられたところしっかり洗ってね。私……まこと以外に触れられたくない』


ひうっ。

な、な、何言ってるのニーナさん!?

そ、それって……

うう、あの時のじいさんの言葉がよみがえっちゃうよ。


『ニーナを触ってやれ。きっと喜ぶぞ?』


うあ、ど、どうしよう。

めっちゃ触りたい。


恥ずかしいけど俺だって健康な男子だった。

今まで経験ないけど、すごく興味ある。


『ばか。……ちょっとだけなら……いいよ』


はうっ。

やばい、お許しが出た!?


「う、うん……ごめん、触りたい。……あ、そ、その、優しく触るから……」

『……ばか』


俺は思わず速足で洗面所へ向かった。

鏡に映るニーナさん。

ああ、凄く魅力的だ。


俺は服を脱ぎ捨て風呂に入りお湯をため始める。

シャワーで全身を流し、この数週間で培った技術で優しく素早く髪の毛を洗った。


『ふふっ、上手になったね』

「うん。ニーナさんのおかげだね」


そしてクレンジングと洗顔を使い顔を洗う。

コンディショナーを洗い流し、髪をお団子で縛る。


ドキドキしてきた。

俺はスポンジにボディーソープを泡立たせ、優しく体を洗い始める。


いつものように優しく洗う。

ごめんだけどゆっくり触ってみたい。

だから湯船の中で触ろうと思っていた。


体を洗い終わり俺は湯船につかる。


「ああー、気持ちいい」


どうして人は湯船につかると自然に声が出てしまうのだろうか。

そしてごくりとつばを飲み込み、ゆっくり自分の胸に触れた。


うあ、凄く柔らかい……意識したせいか少し男だった時の感覚がよみがえってくる。

……俺今、可愛い女の子の胸を触っている

……やばい、凄く気持ちいい。

ニーナさん、ああ……


男だった感覚で気持ちよくなってきていたが突然さらに強い快感が体に走る。


……んっ♡……うあ、先っちょ、電気が走る?

……んう♡……硬く?なってきた……んんっ♡


重なる快感に、夢中で自分の胸を触りながら硬く充血した先端を指でいじる

頭が真っ白になっていく。


『…っ…あんっ♡……うあ、まこと、ん♡……気持ちい♡……ああ』


ひうっ、やばい、……俺、今一瞬ニーナさんとリンクした。

メチャクチャ気持ちいい。

脳が蕩けそうになる。

ああ、もっと感じたい……


俺はそっと右手を下の方に滑らせていく。

下腹部を過ぎたあたりでニーナさんが絶叫した。


『ああああああん♡うあ、まこと、まこと…んうっ♡』

「ん♡……やばいよ、ニーナさん……俺、うあ…変になっちゃう……んっ♡」


心臓の鼓動がどんどん早くなっていく。

全身に血液が駆け巡る。

薄い毛に包まれた柔らかな皮膚を感じる様に指が自然に動いてしまう。

触れるたび感度が上がっていく……


「っっっ!?!!??」

『んうっ!?ああああっ!!?』


全身に今まで感じたことのない強烈な快感が突き抜ける。

同時にニーナさんの気持ちよい感情が俺とリンクし感覚が増幅した。

脳が弾けそうになり、体がビクビクと痙攣する。


「!?……?!……うあ………あうっ……はあっ……あ……」

『んんんー♡……はあ、はあ、はあ、……ん♡』


やばい。

なんだこれ?


俺だって恥ずかしいけど男の時にはそりゃ自分で何度も処理はしてきた。

男だからどうしても溜まるし、そういう欲はあるしね。


何より気持ちいい。


でもこの感覚は……

初めての物だった。


男の時よりも何倍も気持ちいい。

意識が飛びそうだ。


『おなごの方がスケベじゃよ』


確かに爺さんはそう言っていた。

AVとかで女の人が失神とかするのは知識では知っている。

でも慣れてる友達が『あんなの演技に決まっている』とか言っていたけど……


うう、凄すぎる。

気持よすぎる。


ハマってしまいそうだ。


しばらく呆然としてしまう。

何も考えられない。


どのくらいそうしていたのだろう、おもむろにニーナさんの声が届いた。


『……まことのエッチ。……ま、毎日とかは、ダメだからねっ!』


なんか届く声がやけに色っぽい。

俺は顔を赤らめ返事をした。


「う、うん。ごめん……でも………めっちゃ気持ちよかった」

『あう……もう♡』


まだ今日は……ちょっといじってみただけ……だと思う。

もし中に……


俺はかぶりを振る。

この体は俺のじゃない。


これ以上は絶対にダメだ。


気が付けは1時間以上が経過していた。

のぼせたのか何なのかよくわからないが俺はフラフラになり、ベッドへ倒れ込んだ。


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