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SS 久しぶりの真琴視点

私はついに自分の体を取り戻した。

そして同じ屋根の下、ていうか目の前に大好きな誠がいる。


私の隣ではずっと同じ体で生活していたニーナが子猫と一緒に寝ている状況だ。


(私、生きてる……夢じゃないんだ……嬉しい)


モヤモヤして思い出せないけど、私はきっと何かを成し遂げた。

良く判らない世界であのころよりもずっと素敵に成長した誠が心の底からの告白をしてくれたんだ。


『真琴、大好きだ!!誰よりも、心の底から愛してる!!だから、お願いだよ……俺と一緒にいてくれよっ!!!!』


はあ♡


思い出すだけで私の心臓は飛び出すんじゃないかというほど激しく脈を打つ。

そして顔が熱くなっていく。


ああ、誠……

そしてそのあと……私は彼に抱きしめられ、何度もキスをした。

それから……誠、スッゴク私を求めてくれて……そ、その、胸とか……


彼に触れられると、全身に電気が走るの……

き、気持ちいい♡


あうう♡


当然だけど私にそういう経験はない。

死ぬ前は誠以外の男の人とほとんどしゃべったこともないし、お付き合いなんて…とんでもない話だ。


転生後は……うん。

何度かそういう目に遭いそうにはなったけど……うう、胸は揉まれちゃってたか……


ていうかニーナ?

貴女私を触り過ぎ。

目の前に誠がいるのに……

私きっとすごい声出しちゃってた。


だって目の前に大好きな人がいるのに…

ニーナ私の胸揉んだり……そ、その…

際どい所撫でたり……


正直メチャクチャ興奮しちゃってた。


舌までからめるような濃厚なキスしたり…

あうう、思い出すと恥ずかし死ねる。


コホン。


でも私まだ一応まっさらだ。

正直いまの私は22歳。


きっとこの年だと多くの女の子は経験していると思う。

正直怖い。


いつも優しい誠が、そういう事をしようとするとき……

やっぱり恐怖が、恐い気持ちが出てしまう。


でもそれを上回る純粋に求めてくれる気持も嬉しくて……

私はやっぱり最初は彼に奪ってほしいんだ。



※※※※※



やけに目がさえてしまった私は目の前で寝息を立てている誠を見つめる。

すやすやと寝ている愛おしい人。


「……夢じゃないんだね」


そう呟いて彼の頬をそっと撫でてみる。

暖かい。


私の心も温かくなっていく。

自然に笑みがこぼれる。


「……むにゃ…まこ、と……むにゃ……」


っ!?寝言?……私の名前……嬉しい♡


その様子に私の中の大好きは天元を超えていた。

そっと彼の頬にキスをして、私は満たされた気持ちで目を閉じた。



※※※※※



「おはよう」


私たちよりも早く起きて歯磨きしている誠に声をかけた。


「おはよう……ああ、本当に真琴がいる……夢じゃないんだ」


ふふっ。

誠もおんなじこと言ってる。

そんな些細な事で私の心は踊りだす。


何故か不思議な力で私は今この村で働く公務員だ。

車の免許もあるし、死んでからこっち5年間の記憶もなんだか朧気だけど存在していた。


誠いわく『神様パワー』らしい。


相変わらず彼はネーミングセンスが皆無だ。

本当に彼らしい。


「はい、お弁当。…真琴、大丈夫そうか?そ、その、仕事とか…」

「うん。何故か分からないけど、もう何度も経験したみたいになってるから……大丈夫だと思う」

「そっか。……じゃあね、行ってらっしゃい」


そして彼は少し震えながら私にやさしくキスをしてくれる。

行ってらっしゃいのキスだ。


ああ、私今めっちゃ幸せ。


「うん。行ってきます」



私の新しい生活。

大好きな彼と、異世界で一緒に戦ってきたニーナ。


死んでしまった私と誠。

それから異世界の姫ニーナ。


思えばすごいメンツだよね?


私はカギを開け可愛らしい軽自動車のエンジンをかける。

いつの間にか取得した免許に、いつの間にか購入した車。


朧気に記憶はあるけど…

たぶんこれも神様パワーなのだろう。


バックミラーにうつる私の顔。

記憶にある自分よりずっと成長した私。


うん。

可愛い。


だって……


私は誠が心から愛してくれる私なんだ。


私は大きく息を吐きアクセルを踏む。

ゆっくり動き出す車。


さあ、始まるよっ!


私の愛すべき理想の生活。


がんばろっ!!


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