◆ あらすじ ◆
元服の儀を行うために京へやってきた伊月。そこで思わぬ人物と出会います。それが、京を中心に活躍しているという眞城でした。彼が備後へ来ていた理由は、伊月たちに会いに来るため。なんのために会いに来たのか…‥伊月は前世の記憶から嫌な予感を感じ取りますが、眞城の目的は、『仲良くしてみたかった』とのこと。
意外と純粋な眞城は、前世にはとらわれずに生きたいようです。
伊月も眞城も、まだまだ前世の感情に囚われがちな中学生というお年頃ですが、互いに刃を交え合い、語らうことで、やや和解したようでもあります。
そうして伊月は欄干から川へ……落ちてしまったのは、意図的なのか、事故なのか。それは明らかにはなりませんでしたが、川の中で前世の最期の記憶が蘇るとともに、秋宮の声を聴きます。
秋宮はやはり、前世の最期に聞いた、あの声だったようです。伊月はその正体がなんとなくわかりかけているようですが……この、川へ落ちた伊月を助けたのは、なんと眞城でした。
こうして今世での『友達』という関係に少し嬉しくも思いながら、この夜は眞城の家に泊まります。ですが体を冷やした眞城は体調を崩したようで、介抱する伊月は眞城に前世の幼少期を思い出し、少しほっとします。
ですがこの後、伊月は深く、長い夢を見ることになります。その内容は伊月にとってもかなりつらいものとなるようですが……
またぜひ、次章【これから】もお楽しみいただけましたら幸いです❀
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
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◆ 登場人物 ◆
・
備後国南中学校に通う二年生。十四歳。
前世の記憶は平氏の軍を指揮したとされる『
刀で語り合い、水に落ちた伊月を救った眞城とは、前世とは違う、今世での新しい関係性を築いていきたいと思っている。
・
色白で背の低い。さらさらとした短い黒髪に、ぱっちりとした大きな目と形の良い凛々しい眉は美少年然とした雰囲気を醸し出しており、義経の特徴と似通った部分もあるとか、ないとか。
腰に佩刀する
平家の記憶を持つ伊月や朝霞には、今世では仲良くしてみたいという思いから会いにいったという。前世に囚われず、今を生きたいと願う十三歳。
・
白い衣に赤い袴を召した、中学生くらいにも見える不思議な少年。
後ろで長く結った黒髪に、前髪はパツンと切りそろえられており、サイドは耳の中程の高さでやや斜めに整えられている。赤い八重菊結びに房のついた耳飾りをつけており、右には太陽、左には月の石がついているよう。切れ長ではっきりとした双眸の目尻上側に朱の化粧のようなものが施されている。
『友成』を返す、白と朱の神官姿に、伊月は何か思う所があるようです。
・
京で出会った、眞城の兄。源頼朝の記憶を持つという彼は、伊月に対しても敵意むき出しのようにも見えたが、ただのツンデレ過保護なお兄さんらしい。
・弁慶(仮)
弁慶に憧れた偽物。伊月の刀を奪おうとするも、一対一で敗れる。
その後眞城にも挑むが、正体を見破られる上に敗れる。
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◆ 参考文献 ◆ ※著者敬称略
追加分のみ記載していきます。
・刀・拵から刀工・名刀まで刀剣擁護徹底網羅!【図解】日本刀事典 / 歴史群像編集部
・日本刀ビジュアル名鑑/ かみゆ歴史編集部
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『友達』になり、和解したような伊月と眞城ですが、この後も色々な記憶と共にいろんな出会いが待っています。
眞城は本物の弁慶と出会えるのか、秋宮の正体は何者なのか……ぜひ、この先もお楽しみいただけましたら幸いです❀
今後とも、よろしくお願いいたします。