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第4話 ビギナー:激闘

「SSS級でしょ?ってことは相当ピンチだな。」

ゼクシードは瞬時に考えを巡らせた。

(保有総マナは100万ポイント、オリハルコンは最硬金属であることが多い。ステータス的に多分素じゃ勝てない。ってことは…)

「ぶっつけ本番、やってみますか!」

(イメージは全身の細胞にマナを通す感じ…

マナに与えるイメージは身体強化。

繊細な技術が必要だろうができないと敗ける!)

「『魔強化マナブースト』!」

その瞬間ゼクシードの体を力が駆け巡った。

「25万ポイントもMP使ったんだから、ちゃんと仕事してくれよ!」

「『魔強化拳マナブーストフィスト』!」

「50万MP、持ってけ泥棒!」

(この二つのスキルの持続時間は1分、それまでにケリをつける!)

「オラオラオラオラオラオラオラオラ!」

両腕りょうわんの拳が降り注ぎ、オリハルコンドラゴンが怯んで多少のノックバックしたのを見て、

「これで終いだ!」

両腕りょうわんに宿していたマナを右の拳に集約して思い切り叫んだ。

「右、ストレート!」

倒すことには成功したが、その後の死体をどうするかを決めかねていた。なぜなら、明らかにオリハルコンドラゴンの素材は絶対金策としても、装備素材としても優秀であると判断したからだ。

「俺は武器を加工する技術もできる人のツテもないからなぁ…あ!」

「『創造クリエイション』イメージは自分の魂を薄く広げて、相手の魂を覆い尽くし魂を同期させて力を取り込む感じ。スキル名は『捕食の王』」

《スキル獲得のお知らせ》

《あなたは『捕食の王』を獲得しました。》

《黒鋼龍を捕食しますか?》

《YES》 《NO》

「答えはもちろんイエスだ!」

そうしてウインドウのイエスを押すと、表示が出た。

《捕食を開始します》

《!注意!力を取り込むため体を力に耐えられるよう黒鋼龍の身体素材を用いて再構築します。猛烈な負荷がかかるため、準備をお勧めします。》

次の瞬間、猛烈な負荷がかかった。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」

筋繊維がちぎれていく感覚を味わい、必死に猛烈な痛みに耐えようとしていた。

(このままじゃジリ貧。幸いなことにレベルアップによる全回復特典はストックできるけど、それでも多分間に合わない。なにかいい手は…身体強化で耐えるか?いや、それじゃ何の解決にもなってない。待てよ…身体強化?これに賭けるしかない)

「『創造クリエイション』イメージは身体強化の時と同じようにマナの通し方をして、マナに与えるイメージは再生。ストックしてる特典の半分をスキル熟練度に変換!再生に対して消費!」

《スキル獲得のお知らせ》

《あなたは『再生(大)』を獲得しました》

そのスキルを獲得した瞬間、消費量と回復が徐々に釣り合い始めた。

半日後…

「ようやくか…」

《再構築が完了しました》

「『創造クリエイション』『鑑定』『アイテムボックス』容量は無限にしとくか。」

「『鑑定』俺の体、鑑定!」

《鑑定結果 筋繊維や細胞一つ一つがオリハルコンと同じ硬度を持ち、攻撃力、防御力も増している》

《黒鋼龍との同期で使用可能になったスキル》

《『黒炎』『黒雷』『黒鋼化』『黒のマナ』『???』(未解放)》

「おおー!」

「聞こえるか…聞こえるか!」

「だれ?」

「我は黒鋼龍オリハルコン・ドラゴンである!」

「そういうことか。魂の同期は精神も同期させるのか。」

「そうである、力を取り込ましてやったのだから、感謝しろ!力の譲渡は双方の合意がないとできないからな。」

「じゃあ俺が戦闘中に最適な攻撃法の演算を頼めるか?」

「まあ、図々しい奴だが、面白そうだ!よかろう、その任、任せい。これからよろしくな、小僧。」

「小僧じゃねーよ。ゼクシードだ。」


ービギナー完ー

ー次章へ続くー

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