皆様、ごきげんよう。
♪(作者名)です。
私が若い頃、会社を作ろうとして失敗しました。
ずっとやりたかったことが上手くいかず、毎日を無気力で過ごしていたのです。
そんな頃、たまたま見かけたのが、『モンスターハンター・ポータブル』でした。
気晴らしにやってみたところ、これがなかなか面白い。
一狩り行っているときは嫌なことを忘れられたのです。本当にありがたかった。
こうして、毎日のようにリオなんとかとか、ミラなんとかと戦い続けること2年。
気付いたら全ての武器種をマスターし、ノーダメージで狩れるほどの腕前に。
当時、渋谷で働いておりまして、仕事帰りに立ち寄った家電量販店で見かけたのが『モンスターハンター・フロンティア(以下、MHF)』です。
たしか、シーズン3『変幻、アクラ・ヴァシム』という新モンスターが登場していました。
初めて見るサソリのようなモンスターに、私は引き込まれていきました。
結局、仕事のタイミングもあって、シーズン4『雷臨、ベルキュロス』からの参加です。
このゲーム、ハンターランク(HR)というレベルみたいなものがあり、クエストをクリアしていくと少しずつ上っていきます。
シーズン4から登場のベルキュロスはHR81~なので、すぐに戦うことができず、やっと戦えるようになったのは4ヶ月ほど経ってからでした。
MHFはソロではなく、仲間と一緒に狩りをするインターネットが必要なゲームです。
数ヶ月毎にシーズンが進行していき、新たなモンスターが追加されるので飽きが来ないという訳です。
ですが、断言します。クソゲーです。
この手の毎月課金するゲームは、とにかく延命措置をしたがります。
ソロでも十分に狩れるMHPシリーズとは違い、同じモンスターでも体力が倍くらいあります。
さらに、討伐したモンスターから剥ぎ取った素材を使って武器・防具を作っていく訳ですが、レア素材が出ないので『剥ぎ取りマラソン』をしなければなりません。
こうやって時間稼ぎをすることで、簡単に上へ行けないようにしています。
所々からクソゲー臭が漂ってきますが、狩りそのものは本当に楽しかったのです。
砦の防衛戦とか、32人での大討伐とか、よく考えたなと思えるクエストがあります。
また、定期的に特殊なイベントが開催され、ちょっと変わった装備が入手できたりします。
ただ、この頃からちょっと雰囲気が変わってきまして、報酬が『***チケット』みたいな紙ばかりになったのです。
クエストを受けるにもチケットが必要、装備を作るにもチケットが必要……『紙集め』と呼ばれていました。
当時所属していた猟団でオフ会がありまして、秋葉原で観光をしたのですが、メンバーの一人がメイドカフェのチラシをもれなく受け取っていたのです。
それを見た私が、『おや、こんなところでも紙集めですか?』と発言したところ、全員大爆笑だったことを思い出します。
シーズンは2~4ヶ月毎に進行していき、新モンスター、新装備、新要素がどんどん追加されていきます。
シーズン10を最後に、フォーワード1~に変わり、武器種の型というのも追加されました。
そして登場するスキルランク(SR)という、ハンターランクとは別なランク。
さらに、武器種毎に秘伝装備なるものも登場し、紙集めは加速していきます。
えっ、私?
もちろん、全武器種のSRを999まで上げて、秘伝装備を全部つくりましたよ!
こんな感じで苦行は続くのですが、やはり討伐は楽しいのです。
多分、MHFのピークがこのあたりです。
当時接続数7万超えとかだったと思います。
順調だったはずのMHFですが、ここから信じられないしくじりをします。
フォーワード5の後にリニューアルした、MHF-Gです。
フォーワード5の最後には宴が開催され、責任者の方が『どれほどのお客様が大挙して訪れるか分からないのが怖い』とまで言うほどの自信を見せていました。実際、それほどの勢いを見せていたのです。
ちなみに、私は『このときほど盛大なフラグを見たことがありません』と先に言っておきます。
まず、お金です。
新たにGzという通貨が登場しました。それまではzという通貨があり、私は2億以上所有していましたが、事実上いきなり紙切れになりました。
ここからは何をするにも、Gzが必要になるのです。
そして、ランクです。HR、SRときて、GR(Gランク)の登場です。新設されたG級クエストをクリアすると少しずつ増えていくのですが、これが全く増えないのです。
最初に用意されたG級クエストは、ハンター達が嫌というほど序盤で戦った『イャンクック』という鳥みたいなモンスターです。
G級ということで、まさかの即死級ダメージを身につけて再登場です。
今まで数多の強力なモンスターを倒してきたハンターが、『イャンクック』に即死させられるのです。まさかの事態に驚きが止まりません。
しかも、次のGRになるには、これを100匹くらい倒さないといけません。いゃ~ん。
それが終わったら、今度は『ダイミョウザザミ』という、やはりハンター達が嫌というほど序盤で戦った蟹です。
これも100匹以上狩らなければいけません。苦行にもほどがある。
さすがにこれには非難殺到。
なんで、クックと蟹を狩り続けなきゃいけないんだと。
そのとき、ハンター達は気付いたのです。
今までずっと、運営の延命措置に騙されていたことに。
日々、ログインユーザーは激減していき、運営は謝罪に追い込まれました。
しかし、その後も迷走は続きます。
ユーザーも、『また延命措置か……』と思うようになりました。
私がプレイしたのもここまでです。
モンスターハンターシリーズと言えば、出せば売れる大ヒットタイトルですが、このようなケースもあったのです。
クソゲーと名作は紙一重ということですね。