皆様、ごきげんよう。
♪(作者名)です。
推し活なんて言葉が生まれてから随分と経ちますが、皆様には推しはおられますか?
私の推しは『山村紅葉』さんです。
あの存在感、あの怪しさ、あのクドさ、どれを取っても最高です。
紅葉さんが出ているドラマは録画して何度も見てしまいます。
そんな私ですが、学生時代はあるアイドルに夢中だったのです。
タイトルに書いてあるので、もうバレていると思いますが『中山美穂(ミポリン)』さんです。
アイドルと一言で言っても、歌で活躍する人、バラエティで活躍する人など、活躍の仕方はそれぞれです。
中山美穂さんは、特に女優としての活躍が目立っており、女優業を休止した1993年を除いては、10年間も連続で主役を演じるという大活躍でした。
当時の月9といえば、ミポリンかキムタクだったのです。
私が思うに、中山美穂さんは同性にも好かれる稀有なアイドルでした。
多くの女性アイドルは、男性ファンがほとんどですが、中山美穂さんは女性ファンが半分くらいいたと聞いたことがあります。
このファン層の広さがドラマの主役には必要なのだと思います。
しかも、多くの作品で主題歌まで歌っており、歌ってよし、演じてよしの独壇場です。
売れない訳が無い。
そんな、トップアイドルがゲームになると聞き、最高にテンションが高まりました。
ミポリンはいつも私を WAKU WAKU させてくるのです。
ところが、発売された『アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール』はディスクシステム専用だったのです。
この当時、ディスクシステムを持っておらず、悔しさに打ち震えたのを覚えています。ただ泣きたくなるのでした。
その後、ディスクシステムを入手したものの、書き換えサービス(第4話 参照)対象外の青ディスクであり、しかもちょっと高かったのです。
おもちゃ屋でディスクを眺めるだけの日々が過ぎ、まるで『CATCH ME(できるものなら捕まえてみろ)』とソフトが言っているかのようだったのです。
他にも面白いソフトがどんどん出てくるので、新作を買うか、トキメキハイスクールを買うか、50/50 で悩みつつ数年後になんとか入手できました。
さて、ゲームの紹介をしましょう。
肝心なストーリーですが、『トキメキ学園の転入生である主人公は転校初日に学校の廊下で眼鏡をかけた女の子とぶつかり、主人公が大ファンであるスーパーアイドル中山美穂と似ていることに気づく。やがて、主人公はその女の子が本物の中山美穂だと知る』である。
断言します。クソゲーです。
眼鏡の1つや2つかけたところで、中山美穂さんだったら誰でも絶対に気づくし、大騒ぎになりますよ。
これには、サングラスかけただけで変装した気分になっているクワトロ大尉もビックリです。
しかも、トキメキ学園!? 小学5年生女子が書いた漫画に出てきそうじゃないですか。これはひどい。
しかし、『トキメキハイスクール』には奥の手が用意されていました。
それは『テレホンサービス』です。
ゲームのポイントとなる箇所で電話番号が表示され、その番号に電話するとミポリンがヒントを教えてくれるのです!
電話でミポリンの声が聞けるなんて、最高じゃないですか!
ですが、ここにとんでもない落とし穴があったのです。
そうです。私が購入したときには、テレホンサービスが終了していたのです。
『この電話番号は現在使われておりません』……。うぎゃああ。
それでもなんとか、最後のシーンにやってきたのですが、選択を連続ですることになります。
テレホンサービスという最後の手段も絶たれ、ノーヒントで臨むことになります。
何を選んでもミポリンは泣き出してしまい、ゲームオーバー。
たぶん、正解ルートはあるのでしょうけど、見つけられず現在に至ります。
このゲームのポイントは、やはりトップアイドルを起用し、テレホンサービスと融合させた点にあると思います。
想像以上に売れたらしく、間違い電話で困った人も多かったようです。
その一方で、最後の理不尽な選択はひどすぎました。
ゲームオーバーになるたび、タイトル画面に戻され、ロードし直すので時間がかかりました。
しかし、このゲーム開発を通じて得られた知見は『ファミコン探偵倶楽部』という名作に受け継がれました。
そういう意味では、決して無駄ではなかったのかもしれません。
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最後になりますが、昨年(2024年)の12月6日に中山美穂さんは自宅で亡くなられました。
私を含め、多くのファンを楽しませてくれたことに感謝しつつ、御冥福をお祈りしたいと思います。