皆様、ごきげんよう。
♪(作者名)です。
皆様は今までで一番お金を使ったゲームを覚えていますか?
私は覚えています。なにしろ、月に10~20万使ってましたから。
当時の職場に、大変お世話になった佐藤さんという方がいました。
ゲーム好きで競馬好き、私と似ている趣味なので、よく一緒に食事にも行ったりしていました。
ある日、ゲームセンターに連れて行かれまして、そこでプレイしたのが『DERBY OWNERS CLUB 2』でした。
断言します。クソゲーです。
ゲームセンターの片隅にある、独特な空間。
巨大なモニターと8人同時プレイ可能な、8台の筐体。
しかも、結構な待ち行列になっており、人気のほどが伺えます。
1レースは約5分ほどで200円、500円だと3レース遊べて、少しお得な感じです。
競走馬は自分で作成するのですが、競走馬のデータを保存したカードが出てきます。このカードをカードリーダーに入れることで継続して育成ができるという訳です。
プレイの上手さとは関係なく、1レースしか遊べないので、料金の回収率が非常に高いゲームとなっています。セガ、考えたな!
これ、結構恐ろしくて、ぶっ続けでゲームをすると、1時間で2000円。数時間遊んだだけで結構えらいことになるんですよ。
当時、ゲーセンに行くたび、5000円札を両替してました。
あ~、あの頃に戻って、私の頭を殴ってやりたい。
そんな感じで、ありえないほどの額を課金していた私ですが、実際のゲーム成績は芳しくありませんでした。
このゲーム、競走馬を引退させると、その子どもを作成できるようになります。
こうして代を重ねるとどんどん強くなる仕組みがあります。
よって、長年プレイをしている人にはどうやっても勝てません。
さらに、私が通っていたゲーセンには古参グループがおりまして、ほぼ独占状態だったのです。
しかも、彼らはあまりマナーが良くなく、あまりいい印象がありませんでした。
このグループは最年長の30代の男性を中心に、社会人、大学生など10人ほどで構成されていました。
リーダーと思われる30代の男性は髪が薄かったので、私たちは『若禿軍団』と勝手に呼んでいました。
『若禿軍団討伐戦』に苦戦する私に対し、佐藤さんは思いがけない手をうちました。
ヤフオクで代重ねした競争馬カードを購入したのです。
本当かどうか分かりませんが、60代くらい重ねたとか。ほんまかいな。
半信半疑な私でしたが、佐藤さんは私にも一頭だけ仔馬を作ってくれました。
馬の強さはランダム要素もあるようで、なんとこの馬が大当たりだったようです。
何頭か生産した中で、圧倒的に強かったのです。
この日から、ゲーセンの勢力図は一気に変わりました。
私の馬が『若禿軍団』に連勝し始めたのです。
いい気分でゲームをしていた私でしたが、この数日後に事件が起こります。
あれっ、最近『若禿軍団』見ないなあと思っていたのですが、どうやら彼らは警察に捕まり、出入禁止にもなったとのこと。
容疑は『器物破損』です。
具体的には、レース後にレース結果をカードに上書き保存するのですが、その前にカードを無理やり引き抜き、別のカードと差し替えることで競走馬データを複製していたとのこと。
カードリーダーは簡単に引き抜けないようになっており、無理やり引き抜くため、カードに引き抜き用のツマミを取り付けていました。この行為はカードリーダーを破損させる恐れがあるため、『器物破損』とみなされたとのこと。
『若禿軍団』逮捕のニュースはネットでも出回り、彼らに苦渋を舐めていたプレイヤーも戻ってきました。
フェアプレイができるっていいですね。
このゲーム、こうした不正対策が全くできておりませんでした。
しかも、後で知った話ですが、カードに書かれた情報は暗号化されていなかったらしく、書き込み装置さえあれば最強データを簡単に作れたとのこと。
全パラメータがMAXのカードは使用できなくなったらしいのですが、代重ねで作成できる最強データに偽装した場合は不正を見抜くことができなかったようです。
思えば、ヤフオクで販売されたカードも、こうして作られた可能性があるのです。
ヤフオクの商品説明には、『**代重ねています』と書かれていましたが、何代重ねたかなんていちいち覚えていないでしょ。
このゲームに限らず、カードを使うゲームは、こういう問題が結構あるようです。
えっ、課金額?
100万超えてますね、たぶん。
さ、佐藤さああ~ん!