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第55話 名前

【新人探索者見守り隊Part4】


53.名無しの探索者

大阪の鶴見ダンジョンで活動してる和美ちゃんも良いんだよな〜


54.名無しの探索者

>>53

大剣使いの子な

めっちゃ楽しそうに魔物と戦ってるよね


55.名無しの探索者

和美ちゃんも神崎信者だからなw

でも意外と慎重なんよね


56.名無しの探索者

まぁ新人だしな

関西探索者育成学園に通ってるらしいし


57.名無しの探索者

今年魅力的な新人多くて全然追えないっす


58.名無しの探索者

>>57

私もだわ

できる限り見てはいるんだけどねぇ


59.名無しの探索者

オススメの新人探索者って誰?


60.名無しの探索者

>>59

言うてもまだ6月だから自分で見つけたら良いと思うで

探索Lifeの検索の絞り込みから色々設定して調べられるから


61.名無しの探索者

俺は宮本、山崎、黒木の異色トリオチームかなー

侍男子の宮本、ゴリマッチョ女子の山崎、真面目不良の黒木で見てて飽きないよ


62.名無しの探索者

あー全員希少職のチームか

実力的には新人の中でトップレベルちゃう?


63.名無しの探索者

>>62

たぶんそう

札幌ダンジョンで活動してる佐藤、井上ペアもレベル高めだと思う

あとは最近話題の一之瀬、鈴木か?


64.名無しの探索者

鈴木と一之瀬は認知度的には一番勢いが良さそう


65.名無しの探索者

あの2人の勢い凄いよな

あとルックスが2人とも良い


66.名無しの探索者

一之瀬ちゃんは凛とした強気な美人って感じで、鈴木くんはクール系のイケメンって感じだよねー!


67.名無しの探索者

それで2人とも年相応に楽しそうに探索してんのよな

何より鈴木があの顔で意外と明るく喋ってるのが男なのにグッとくるものがある


68.名無しの探索者

分かる。ただ2人とも全然コメントを見てくれない…!

もっと俺たちを見てくれ


69.名無しの探索者

まぁコメントを見てないからこそ自然な姿を見れてるとも言える

てかこの2人の話題になるとスレが進むな、やっぱり新人のなかで一番ファン多そうやね


70.名無しの探索者

シーカーズ・ニュースの新人特集第1弾でも2人が取り上げられてたし、勢いがまーじで凄い


71.名無しの探索者

最近はスキルもいくつも獲得してて着実に実力伸ばしてるねぇ

てかさりげなく2人でチーム組んでるの知ってる?

探索Lifeのプロフィールでツインブレード所属になってんだよね


72.名無しの探索者

>>71

ほんまですやん!!しかもメンバー鈴木と一之瀬だけ


73.名無しの探索者

こう言っちゃあ不躾だけどよぉ…あの2人付き合ってんのかな


74.名無しの探索者

付き合っててもおかしくないぐらいには仲良しではある

ただまぁ、まだ友達って感じじゃない?


75.名無しの探索者

アカン、ドキドキしてきた

次の配信まだかな


76.名無しの探索者

ダンジョンに潜るのは土日だけっぽいね


77.名無しの探索者

まだ学生だもんな



―――――――――


翌朝

学園に到着して教室に入り、いつものように朝の準備をしていると、後ろから明るい声が聞こえた。


「鈴木くん、おはよう!」


振り返ると、クラスメイトの萩原さんが笑顔で立っていた。萩原さんは茶色のショートヘアで、いつも元気な女子だ。


「おはよう、萩原さん」


「昨日のシーカーズ・ニュースの特集見たよー!すごかったね!」


萩原さんは目を輝かせながら話しかけてきた。


「あ、見てくれたんだ。ありがとう」


「鈴木くんと一之瀬さん、すごくかっこよかったよ!特に一緒に戦ってるシーンとか、息ぴったりで感動しちゃった」


「ハハハ、そう言ってもらえると嬉しいな」


「でも、取材を受けるなんてすごいよね。私なんて緊張しちゃって何も話せなくなりそう」


萩原さんは手をひらひらと振りながら笑った。


「俺も全然緊張したよ。でも記者さんが優しくて喋りやすかったかな」


「そうなんだ。今度詳しく聞かせてよ!」


「うん、また今度」


萩原さんとの軽い談笑で、少し気持ちが楽になった。昨夜のことで頭がいっぱいだったが、いつもの日常が戻ってきた感じがする。


俺は自分の席に着いて、授業の準備をした。しばらくすると、鬼龍先生が教室に入ってきた。


「おはよう。今日は魔物の生態について学ぶ」


鬼龍先生の低い声が教室に響く。今日の授業は魔物の行動パターンや弱点について詳しく説明された。

ゴブリンの群れ行動の特徴や、スケルトンの骨格構造による攻撃パターンなど、実際の探索で役立つ知識ばかりだった。


授業中、俺は集中して先生の話を聞いていたが、時々一之瀬さんのことが頭に浮かんだ。

彼女は今どんな気持ちでいるのだろう。昨夜のことを後悔していないだろうか。


授業が終わると、俺は教科書をしまっていた。すると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。


「鈴木くん、一緒に食堂へ行きましょう」


振り返ると、一之瀬さんが微笑みながら立っていた。昨夜のことを思い出して、俺の心臓が少し跳ねた。


「うん、行こう」


俺は立ち上がって、一之瀬さんと一緒に教室を出た。

廊下を歩きながら、心なしか隣で歩く一之瀬さんとの距離が短いような気がした。いつもより少し近くを歩いている。


「今日の授業、興味深かったわね」


「そうだね。魔物の弱点を知ってると、戦闘が楽になりそう」


「ええ。試せたら試したいわね」


一之瀬さんとの会話は、いつもと変わらない。

でも、俺の中では何かが変わっている。彼女の声を聞くと、昨夜のことを思い出してしまう。


食堂に到着すると、俺は日替わり定食を注文した。

一之瀬さんも日替わり定食を頼んで、俺たちは窓際の席に座った。


「いただきます」


「いただきます」


俺たちは食事を始めた。定食のハンバーグは柔らかくて美味しい。一之瀬さんも美味しそうにサラダを食べている。


「そういえば」


一之瀬さんが箸を置いて、俺を見つめた。


「これから、お互いに名前で呼ばない?」


その提案に、俺は少し驚いた。


「名前で?」


「ええ。ずっと『鈴木くん』『一之瀬さん』って呼び合ってるけど、もう少しカジュアルでもいいんじゃないかしら」


確かに、俺たちは知り合ってからもう結構経つ。一緒に何度も探索しているわけだし。


「確かにそうだね。知り合ってから結構経つし」


「それじゃあ、これから海人って呼ぶわね」


「うん、俺も舞って呼ぶね」


舞という名前を口にすると、不思議な感覚があった。

より親密になったような、距離が縮まったような感じがする。

食事を続けながら、俺たちは今日の予定について話した。午後は基礎訓練施設で各自の訓練をする予定だ。


「今日は何の訓練をするの?」


「俺は気の訓練かな」


「私は速の訓練ね、あのパルクールの訓練難しくない?」


「あれ大変だよね〜」


食事を終えると、俺たちは基礎訓練施設に向かった。

施設に到着すると、それぞれの訓練エリアに分かれることになった。


「それじゃ、また後で」


「ええ、お互いに頑張りましょう」


舞は速の訓練エリアに向かい、俺は気の訓練エリアに向かっていった。

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