昼休み、晴翔は姉のクラスへと向かった。天音は友人たちと楽しそうに話している。見た目は普通の女子高生そのものだ。
「お姉ちゃん」
天音が振り返る。
「あ、晴翔。どうしたの?」
「ちょっと話があるんだけど...」
天音は友人たちに一言断ってから、晴翔について廊下に出た。
「何かあった?」
「うん...クラスの望月っていう奴が、お姉ちゃんのこと知ってる」
天音の顔から血の気が引いた。
「え...どういうこと?」
「お姉ちゃんの周りに『光』が見えるって。それと、お姉ちゃんを狙う者たちがいるから気をつけろって」
「どうして...あの人は誰なの?」
「分からない。でも、何か特別な力を持ってるみたいだ」
天音は不安そうに周囲を見回した。
「怖いよ...私のこと、誰が知ってるか分からないなんて」
「でも、敵じゃないって言ってた。むしろ警告してくれたんだ」
天音はしばらく考え込み、ふと思いついたように言った。
「あの銀髪の子...昔から少し変わってるって噂だったよ。よく授業中にぼーっとしてるって」
「そういえば、美羽も何か言ってたな。望月が『最近、空が違って見える』って」
二人は窓の外を見た。虹色の
「このままじゃ、どんどん周りの人に気づかれちゃう...」
「だからこそ、普通に振る舞うことが大事なんだよ」
晴翔は姉の肩に手を置いた。
「お姉ちゃん、午後の授業、一緒に受けよう」
「え? どうやって?」
「これから職員室に行って、『姉の様子が心配だから』って言えば、特別に許可してもらえるかも」
天音は少し考え、頷いた。
「そうだね...ありがとう、晴翔」