「はっ!」
晴翔は汗びっしょりの状態で目を覚ました。デジタル時計は午前三時を指している。
「夢か...」
しかし、あまりにもリアルだった。体がまだ震えている。
「人として神を超える...?」
天秤という存在。選定された理由。そして、姉に与えられた選択肢。
全てが混乱しているが、一つだけ明確なことがあった。姉を守るという決意だ。
晴翔はベッドから起き上がり、窓辺に立った。異変の続く夜空を見上げる。
「なんとしても、お姉ちゃんを守る...」
彼の決意は、かつてないほど強固なものになっていた。
神として全てを掌握するか、人として神を超えるか。
晴翔は答えを知っていた。姉は人間のままでいるべきだ。たとえ神の力を持とうとも、天音の優しさと純粋さを守りたい。
「絶対に守ってみせる」
その言葉は、単なる誓いではなく、これから始まる戦いの宣言だった。
神、旧神、神狩り。謎の多い状況だが、晴翔の心は揺るがない。
彼は自分の手のひらを見つめた。小さく、弱い人間の手。でも、この手で姉を、そして世界を守ると決めたのだ。
「さあ、始まるか...」