夕食後、晴翔は自室で蓮から教わったことをまとめていた。神の力、予知能力、神狩り組織...現実とは思えない情報の数々。
ノックの音がして、ドアが開いた。天音だ。
「入っていい?」
「うん」
天音は晴翔のベッドの端に腰掛けた。
「今日は大変な一日だったね」
「そうだね...」
「でも、少し前向きになれた気がする」
天音は窓の外を見た。夜空に浮かぶ虹色の
「この力を恐れるだけじゃなくて、上手く使えるようになりたいな」
晴翔は姉を見つめた。昨日までの怯えた表情はなく、代わりに決意の色が浮かんでいた。
「蓮くんの言ってたこと、試してみたの」
「え? もう?」
「うん、さっき自分の部屋で...小さな物を浮かせてみたんだ」
天音は嬉しそうに手を広げた。
「上手くいったよ。鉛筆を浮かせて、回転させて...」
「お姉ちゃん...」
晴翔は心配と誇らしさが入り混じった気持ちになった。
「無理しないでね」
「うん、少しずつやるよ。蓮くんも言ってたでしょ? 力を理解することが大事だって」
確かにその通りだ。しかし、叶絵の警告も気になる。どちらが正しいのか。
「そうだね...でも、もし何か異変を感じたら、すぐに言ってね」
「もちろん」
天音は微笑んだ。
「晴翔がいてくれて、本当に良かった」
「俺こそ...お姉ちゃんみたいな姉がいて幸せだよ」
二人は静かに笑い合った。窓の外では、星々が虹色に輝いていた。