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第37話

結城ゆうき家では、美羽が自分の部屋で考え込んでいた。


「天音先輩の秘密...」


彼女は壁に貼った写真を見つめていた。先日、四人で撮った写真だ。その中で、天音だけがうっすらと光に包まれているように見える。


「きっと、何か特別な力があるんだ...」


彼女は決意した。友達を守るために、自分にできることを探そう。


◆◆◆


鴻上こうがみ家では、直人が本を読んでいた。表紙には『超常現象の科学的考察』とある。


「朝霧のために、調べておかなければ...」


彼は眼鏡を上げ、ページをめくった。


◆◆◆


望月もちづき家の離れでは、蓮が瞑想していた。彼の周りには、かすかな光が漂っている。


「増してきてる...彼女の力が」


彼は目を開け、窓の外の空を見た。


「準備しないと...」


◆◆◆


そして、朝霧あさぎり家では、天音が自室で練習していた。彼女の前には小さなボールが浮かんでいる。


「もっと...コントロールできるように...」


彼女は集中し、ボールをゆっくりと回転させた。


一方、隣の部屋では、晴翔が叶絵から渡された抑制装置を握りしめていた。


「何が起きても...お姉ちゃんを守る」


彼は固く誓った。


◆◆◆


夜空に浮かぶ虹色のもやは、日に日に濃くなっていく。何かが、この街で目覚めようとしているかのように——。


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