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第40話

2年3組の教室では、天音も窓から校庭の模様を見ていた。彼女の表情は複雑だ。


(私のせい...?)


昨晩、彼女は夢の中で複雑な模様を描いていた。空から地面に向かって光を放ち、幾何学的な図形を作る夢だ。そして目覚めると、実際に校庭にその模様ができている。


「朝霧さん、大丈夫?」


同級生の一人が心配そうに声をかけた。天音は慌てて笑顔を作った。


「ああ、大丈夫。ちょっと驚いただけ」


「不思議だよね、あの模様。前にも円があったけど、今度はもっと複雑で...」


「うん...」


天音は再び窓の外を見た。校庭には先生たちが集まり始め、模様を調査している。放送が入った。


『生徒の皆さん、校庭に出現した模様については現在調査中です。安全が確認されるまで、近づかないようにしてください』


クラスがざわめく中、天音はスマホを手に取った。晴翔にメッセージを送ろうとしたところで、先に彼から連絡が来ていた。


『お姉ちゃん、大丈夫? 蓮と美羽と直人と、昼休みに屋上で会おう』


天音は返信した。


『うん、わかった。私のせいかも...昨日の夢で見たの』


すぐに返事が来た。


『そうか...とりあえず普通に振る舞おう。あとで話そう』


天音は深呼吸して、教科書を開いた。今は授業に集中しなければ。でも、心のどこかで不安が膨らんでいく。


(この力...どんどん強くなってる気がする...)


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