夕食後、晴翔は自室でスマホを握りしめていた。何度叶絵に電話しても、つながらない。
「どうしたんだろう...」
彼は眉をひそめた。叶絵がこんなに連絡が取れないのは初めてだ。
そのとき、ノックの音がした。
「晴翔、入っていい?」
「うん」
ドアが開き、天音が入ってきた。手にノートを持っている。
「これ、見て欲しいの」
彼女がノートを差し出した。それは彼女の夢日記だ。
「今日の分を書き足したんだ」
晴翔はページをめくった。そこには、今日起きた出来事が詳細に記されている。天音の力の解放、金色の光、そして地震のこと。
「詳しく書いたね...」
「うん。できるだけ覚えてることを全部...」
ページをさらにめくると、最後にこう書かれていた。
『私は神になってしまったのか? でも、神なんかじゃなく、ただの女子高生でいたい。みんなと笑って、普通の日々を過ごしたい。だけど...この力があるなら、みんなを守るために使いたい。特に晴翔を...』
晴翔は思わず天音の顔を見た。彼女は少し照れたように俯いている。
「お姉ちゃん...」
「ごめん、恥ずかしいこと書いちゃって...」
「ううん、素直な気持ちだね」
晴翔はノートを閉じ、天音に返した。
「俺もお姉ちゃんを守るよ。それに、みんなもいる」
「うん...」
天音は窓辺に立ち、夜空を見上げた。虹色の
「きれいな空だね...」
「そうだね」
晴翔も窓辺に立った。
「なんだか、全部運命みたいに感じるよ...」
天音がぽつりと言った。
「運命?」
「うん。私が『神』に選ばれたこと、晴翔がそばにいること、蓮くんや美羽ちゃんや直人くんとの出会い...全部」
「そうかもね...」
晴翔も空を見上げた。
「でも、運命なら受け入れるしかないよね」
「うん...」
天音は決意を込めて言った。
「明日、みんなで話し合おう。そして...」