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第53話

朝日が昇り始めた頃、朝霧あさぎり天音あまねは目を覚ました。窓の外を見ると、例の虹色のもやはまだ消えていない。むしろ、より濃くなっているような気がする。


「変わらないね…」


彼女は小さくつぶやいた。しかし、気持ちは昨日と違う。もう恐れだけではなく、決意も芽生えていた。


「今日も頑張ろう」


天音が髪をとかしていると、スマホの通知音が鳴った。「天秤の守護者」グループからのメッセージだ。


『おはよー! みんな、今日も情報収集頑張ろうね!✨』


結城ゆうき美羽みうからの元気な挨拶。まだ早朝だというのに、彼女のエネルギーは尽きない。


そこへ続けて鴻上こうがみ直人なおとからのメッセージが入った。


『おはよう。昨夜、イシュタリアについて少し調べました。今日シェアします』


さらに望月もちづきれんからも。


『おはようございます。今日の昼頃、集合できますか?重要な情報があります』


天音はメッセージを読みながら微笑んだ。こんなにも協力してくれる仲間がいる。彼女は返信した。


『おはよう、みんな。私も少しずつ力のコントロールができるようになってきたよ。今日もよろしくね』


最後に弟からもメッセージが届いた。


『おはよう。朝食作ったから、降りてきて』


天音は急いで着替え、階下へ向かった。


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