キッチンでは
「おはよう、晴翔」
「お、起きたか。どう、調子は?」
晴翔は姉の様子を心配そうに見た。
「うん、大丈夫。むしろ元気」
天音は明るく答えた。
「昨日よりも、力をコントロールできる気がするの」
「そうか、それは良かった」
二人は食卓に向かい、「いただきます」と手を合わせた。
「あ、そうだ」
晴翔が思い出したように言った。
「さっき叶絵さんから連絡があったよ。昼に来れるって」
「本当? 何か見つかったのかな」
「さあ…詳しくは聞けなかったけど、重要な情報があるって」
「そっか…」
天音はトーストを噛みながら考え込んだ。
「蓮くんも、重要な情報があるって言ってたよね」
「ああ、みんな同じ時間に集まれるといいんだけど」
「もう一度スケジュール確認しとこっか」
天音がスマホを手に取り、全員にメッセージを送った。
『みんな、今日のお昼12時に私たちの家に集合できる?叶絵さんも来るそうです』
すぐに全員から「OK」の返事があった。
「よかった、全員来れるみたい」
「それなら、準備しておかないとな」
晴翔はカレンダーを見た。両親の予定が記されている。
「お父さんとお母さん、今日も遅いみたいだね」
「そうみたい。助かるよね…説明するの大変だし」
二人は静かに朝食を続けた。窓の外では小鳥が虹色の空の下で鳴いている。不思議と美しい光景だが、その裏にある危険を二人は知っていた。