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第57話

朝霧あさぎり家に戻った叶絵は、アルバとの会話を全員に伝えた。


「三日後…駅前広場で何かが起きる」


「それって、蓮くんの予知と一致するね」


天音が言った。


「はい、間違いありません」


蓮も頷いた。


「私の見た未来…大きな力の衝突が起きるのは、間違いなく駅前広場です」


「それなら、準備しなきゃ」


晴翔が決意を込めて言った。


「どんな『ショー』になるか分からないけど、最悪の事態も想定して」


「そうですね」


叶絵も同意した。


「私も組織から応援を呼びます」


「私も力のコントロールを頑張る!」


天音は水晶を握りしめた。


「この三日間で、少しでも上達したい」


「僕たちも情報収集を続けます」


直人が言った。


「できるだけの準備をしましょう」


「明日からは、常に連絡を取り合おう」


蓮が提案した。


「そして…千早さんの様子も」


「うん…」


天音は複雑な表情で頷いた。クラスメイトが敵になるなんて、考えたくもなかった。


「私、信じたい。理子ちゃんがそんなことするはずないって」


「そうだよね!」


美羽も力強く言った。


「きっと違うよ! てか、イシュタリアとかアルバとか、そんなヤバイ奴らに普通の人が協力するわけないじゃん!」


「でも、用心に越したことはありません」


叶絵は冷静に言った。


「アルバは何か確信があるようでした。誰かを器として選んでいるはずです」


「分かりました…気をつけます」


天音も覚悟を決めたように頷いた。


叶絵は立ち上がった。


「では、私はこれで失礼します。また明日、詳しい計画を持ってきます」


「お願いします」


晴翔が頭を下げた。


叶絵が去った後、五人は黙って虹色の空を見つめていた。三日後…この平和な日常が、大きく変わるかもしれない。


「でも、負けないよ」


天音が突然言った。彼女の瞳に決意の光が宿っている。


「みんながいるから。私たち、『天秤の守護者』だもの」


「そうだよ!」


美羽が元気よく言った。


「絶対に勝つよ! みんなで力を合わせれば!」


「ああ」


晴翔も強く頷いた。


「俺たちは一人じゃない」


「そうだね」


蓮も優しく微笑んだ。


「どんな困難も乗り越えられる」


「絶対に…この町を守るぞ」


直人も珍しく熱を込めて言った。


五人は輪になって手を重ねた。心強い絆を感じながら。


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