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第67話

晴翔が部屋に戻ると、叶絵からのメッセージが届いていた。


『至急連絡ください』


彼はすぐに電話をかけた。


『朝霧くん、大変です』


叶絵の声には珍しく焦りが感じられた。


「どうしたんですか?」


『千早理子の監視を試みましたが...彼女の家には誰もいませんでした』


「え?」


『周辺を調査したところ...黒いもやの痕跡が見つかりました。彼女はイシュタリアの力を受け入れ、既に動き出している可能性が高いです』


「そんな...」


『これにより、予定が変更になります。明日、妙典駅前で異変が起きるでしょう』


「明日? 蓮の予知では...」


『予知も絶対ではありません。状況は急速に変化しています』


「分かりました...」


『天音さんはまだ回復していないでしょうが、明日の戦いは避けられません。準備してください』


「了解しました」


『こちらも可能な限りの支援を準備します。明日の朝、詳細を伝えます』


電話が切れた後、晴翔は頭を抱えた。明日...心の準備ができていない。特にお姉ちゃんは...


彼はすぐに三人にメッセージを送った。


『緊急事態。明日、駅前で異変発生の可能性。朝8時に我が家に集合』


すぐに全員から了解の返事があった。


晴翔は姉の部屋をそっと覗いた。天音はまだ熟睡している。彼女を起こして心配させるべきか、朝まで待つべきか...


「明日のことは明日考えよう...」


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