朝日が
「お姉ちゃん、朝ごはんできたよ」
「ありがとう、今行くね」
天音は胸元のペンダントを軽く握り、深呼吸した。昨日
「私の後継者…か」
彼女は小さく呟いた。その意味するところは重いが、不思議と恐怖はなかった。むしろ、自分の中に確かな
階下に降りると、晴翔が食卓に朝食を並べ終えたところだった。トーストにスクランブルエッグ、野菜サラダという定番メニューだが、いつもより少し豪華に見える。
「今日は張り切ったね」
天音は微笑みながら席に着いた。
「まあな」
晴翔はちょっと照れたように頬を掻いた。
「昨日はすごい一日だったし、栄養つけないとって」
「そうだね」
二人は「いただきます」と手を合わせ、静かに食事を始めた。
食べ終わった頃、晴翔がぽつりと言った。
「学校、今日は行く?」
「うん、行こうと思う」
天音はきっぱりと答えた。
「普通の日常を送ることも大事だって、みんなが言ってたから」
「そうだな。四天王も学校にいるし、安全は確保されてるだろうし」
「それに…」
天音は窓の外を見た。
「日常から逃げてちゃ、守る意味がないよね」
晴翔は姉の決意に満ちた表情を見て、思わず微笑んだ。たった一週間前までは力を恐れ、逃げようとしていた彼女が、今は前向きに受け入れている。成長というのは、時に驚くほど早いものだ。
「よし、行こうか」