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第83話

教室に入ると、クラスメイトたちの視線を感じた。彼らは明らかに天音に興味を持っている。しかし、それが動画の件なのか、単に転校生との関わりなのかは判然としない。


席に着くと、隣には既にソフィアそふぃあの姿があった。彼女は優雅に本を読んでいたが、天音が来るとそっと閉じた。


「おはよう、天音さん」


「おはよう、ソフィアさん」


天音は小声で挨拶を返した。


「体調はどうですか?」


「少し疲れてるけど、大丈夫」


「そうですか。昨日はよく頑張りましたね」


ソフィアの目には、師としての誇りのようなものが宿っていた。


「境界の泉の力を受け入れるなんて…素晴らしい才能です」


「ありがとう…でも、まだ分からないことだらけで」


天音は少し俯いた。


「前の『神』が何を望んでいるのか…」


「それは、あなた自身が見つけていくことでしょう」


ソフィアは優しく微笑んだ。


「力は道具です。それをどう使うかは、持ち主次第」


「うん…」


教室のドアが開き、担任の先生が入ってきた。通常の授業が始まる。天音はペンを持ち、ノートを開いた。

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