教室に入ると、クラスメイトたちの視線を感じた。彼らは明らかに天音に興味を持っている。しかし、それが動画の件なのか、単に転校生との関わりなのかは判然としない。
席に着くと、隣には既に
「おはよう、天音さん」
「おはよう、ソフィアさん」
天音は小声で挨拶を返した。
「体調はどうですか?」
「少し疲れてるけど、大丈夫」
「そうですか。昨日はよく頑張りましたね」
ソフィアの目には、師としての誇りのようなものが宿っていた。
「境界の泉の力を受け入れるなんて…素晴らしい才能です」
「ありがとう…でも、まだ分からないことだらけで」
天音は少し俯いた。
「前の『神』が何を望んでいるのか…」
「それは、あなた自身が見つけていくことでしょう」
ソフィアは優しく微笑んだ。
「力は道具です。それをどう使うかは、持ち主次第」
「うん…」
教室のドアが開き、担任の先生が入ってきた。通常の授業が始まる。天音はペンを持ち、ノートを開いた。