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第92話

「第一部隊、こちらに」


カナエは天音、晴翔、ソフィアを連れて、部屋の隅に移動した。


「正面からの交渉班として、我々は最も危険な役目を担う」


彼女は真剣な表情で三人を見た。


「特に天音さん、あなたが標的だということを忘れないで」


「はい…」


天音はペンダントをきつく握りしめた。


「でも、逃げる気はありません」


「よろしい」


ソフィアが微笑んだ。


「私とカナエが前面に立ち、交渉します。天音さんは後ろで控えて」


「俺は?」


晴翔が尋ねた。


「あなたは天音さんの護衛よ」


カナエはきっぱりと言った。


「何があっても、彼女を守って」


「言われなくても…」


晴翔はムッとした表情を見せた。姉を守ることは、彼の使命しめいだった。それは、神や組織に言われる前からずっと。


「みんな、緊張してるのよ」


ソフィアが二人の間に入った。


「お互いを信じましょう。今日は全てが賭けられている日なのだから」


カナエも深いため息をついて、珍しく表情を和らげた。


「すまない。少し神経質になっていた」


「大丈夫。みんな同じよ」


ソフィアの言葉に、四人は小さく頷いた。


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