「第一部隊、こちらに」
カナエは天音、晴翔、ソフィアを連れて、部屋の隅に移動した。
「正面からの交渉班として、我々は最も危険な役目を担う」
彼女は真剣な表情で三人を見た。
「特に天音さん、あなたが標的だということを忘れないで」
「はい…」
天音はペンダントをきつく握りしめた。
「でも、逃げる気はありません」
「よろしい」
ソフィアが微笑んだ。
「私とカナエが前面に立ち、交渉します。天音さんは後ろで控えて」
「俺は?」
晴翔が尋ねた。
「あなたは天音さんの護衛よ」
カナエはきっぱりと言った。
「何があっても、彼女を守って」
「言われなくても…」
晴翔はムッとした表情を見せた。姉を守ることは、彼の
「みんな、緊張してるのよ」
ソフィアが二人の間に入った。
「お互いを信じましょう。今日は全てが賭けられている日なのだから」
カナエも深いため息をついて、珍しく表情を和らげた。
「すまない。少し神経質になっていた」
「大丈夫。みんな同じよ」
ソフィアの言葉に、四人は小さく頷いた。