第三部隊は、叶絵と美羽だけの小さなグループだった。
「私たちは、空からのサポートね」
叶絵は美羽に説明した。
「特殊なドローンと、組織の空中部隊を指揮する」
「私にそんなこと、できるの?」
美羽は不安そうに尋ねた。
「あなたの役割は単純よ」
叶絵は珍しく微笑んだ。
「私が指示を出している間、周囲の警戒をすること。そして…」
彼女は少し言葉を選ぶように間を置いた。
「必要なら、天音さんたちに力を与えてあげて」
「力?」
美羽は首を傾げた。
「私には特殊能力なんてないよ?」
「あなたの明るさは、時に最高の力になる」
叶絵は真剣な表情で言った。
「あなたは『天秤の守護者』の
「精神的…支柱?」
美羽は自分のことを言われているのかと思い、目を丸くした。
「私が?そんな大げさな…」
「本人が気づいていないのが、一番自然なの」
叶絵は再び微笑んだ。
「あなたの笑顔が、皆を前に進ませる」
「そっか…」
美羽は少し照れながらも、顔を上げた。
「なら、精一杯頑張るよ!」