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第94話

第三部隊は、叶絵と美羽だけの小さなグループだった。


「私たちは、空からのサポートね」


叶絵は美羽に説明した。


「特殊なドローンと、組織の空中部隊を指揮する」


「私にそんなこと、できるの?」


美羽は不安そうに尋ねた。


「あなたの役割は単純よ」


叶絵は珍しく微笑んだ。


「私が指示を出している間、周囲の警戒をすること。そして…」


彼女は少し言葉を選ぶように間を置いた。


「必要なら、天音さんたちに力を与えてあげて」


「力?」


美羽は首を傾げた。


「私には特殊能力なんてないよ?」


「あなたの明るさは、時に最高の力になる」


叶絵は真剣な表情で言った。


「あなたは『天秤の守護者』の精神的支柱せいしんてきちゅうちゅう。それを忘れないで」


「精神的…支柱?」


美羽は自分のことを言われているのかと思い、目を丸くした。


「私が?そんな大げさな…」


「本人が気づいていないのが、一番自然なの」


叶絵は再び微笑んだ。


「あなたの笑顔が、皆を前に進ませる」


「そっか…」


美羽は少し照れながらも、顔を上げた。


「なら、精一杯頑張るよ!」


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