美羽は屋上で、夕焼けの空を見ていた。
「きれいな夕焼けだね…」
彼女の横に蓮が静かに立っていた。
「うん、まるで血のよう」
「不吉なこと言わないでよ!」
美羽は蓮の腕を軽く叩いた。
「ごめん」
蓮は微笑んだ。
「でも、きれいなものはきれいだね」
「そうだね…」
二人はしばらく黙って夕焼けを見ていた。言葉にならない不安と覚悟が、二人の間に流れていた。
「蓮くん」
美羽が突然、真剣な声で呼びかけた。
「何?」
「私たち、勝てるよね?」
蓮はしばらく黙っていた。彼の予知能力でさえ、完全には見通せない未来。それでも、彼は答えた。
「僕たちが一つになれば」
「そっか…」
美羽はぎゅっと拳を握った。
「じゃあ、一つになろう!みんなで!」
彼女はパッと明るい笑顔を取り戻した。その笑顔に、蓮も心から微笑み返した。
「そうだね。みんなで」