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第103話

「みんな!聞こえる?」


美羽は必死に通信機を調整していたが、全く反応がなかった。


「何かがおかしい…」


「電波妨害ぼうがいね」


叶絵は冷静に分析した。


「それだけじゃない」


美羽は東京タワーを指さした。


「見て!」


タワー全体が紫色にかがやき始めていた。満月の光を受けて、まるで巨大きょだいな魔法陣のように見える。


「儀式が始まった…」


叶絵の表情が緊張で引き締まった。


「第三部隊、行動開始!」


叶絵の指示で、空にいくつもの黒い影が現れた。神狩り組織の特殊部隊だ。彼らは空からタワーに向けて飛び立った。


「私も行く!」


美羽は決意を固めた。


「でも…」


「行かなきゃ!みんなが危ないかもしれない!」


美羽の目には涙がにじんでいたが、その瞳は強い決意に満ちていた。


「そうね…」


叶絵は小さく頷いた。


「では、共に行きましょう」


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