春の訪れを感じさせる風が
「ねえねえ、天音先輩!」
物思いに
「わっ!びっくりした…」
「あはは、ごめんごめん!でも大事な話があるの!」
美羽の目は輝いていた。その手には一枚の紙切れが握られている。
「何?その紙は…」
「これはね…」
美羽は
「私たちの未来計画書!」
「未来…計画書?」
天音が首を傾げると、後ろから
「結城さんが急に思いついたんです」
彼は眼鏡を上げながら
「『天秤の守護者』の未来について、全員で話し合おうって」
「面白そうじゃない」
「僕は賛成だよ。未来を語ることは、未来を創ることだから」
「予知能力者らしい発言だな」
教室の入り口から
「お昼休みだし、屋上でやろうぜ」
「それがいいわね!」
美羽は嬉しそうに手を叩いた。
「じゃあ、お弁当持って集合!『天秤の守護者』緊急会議だよ!」