僕の名前は袖岡汰一。
普通の高校生だ。
『ある事』を除けば……
それは、『泣けない事』。
例外はなく、嬉しい時も悲しい時も
辛い時も感動した時僕の目から
涙が零れる事はない。
最後に涙を流したのは
小学生の頃だったと思う。
何で泣いたかは覚えてない
そして、それを最後に
僕は泣かなくなった。
いや、泣けなくなった……
何がきっかけで
泣けなくなったのか、
この目から涙が
零れなくなったのか
原因は自分でも分からない。
ただ、あの日を境に
涙が出なくなった……
何時かまた、
この目から涙が
出る日が来るのか
今の僕には
皆目検討もつかない……
でも何時かまた
涙を流せる時が来たら
それは、僕の心が
"悲しい"とか"寂しい"
あるいは、
“嬉しい”とか“感動”
するって
感情を取り戻せた時なんだろう。
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《十年後……》
あれから十年……
ある人との出会いで僕は涙を取り戻した。
その話しはまた何時か……