鯉が泳いでいる。校舎裏の池には鯉が、ぱくぱくと口を開いたり閉じたりして泳いでいる。彼らは何を食べているのだろう。彼らの営みはどういったものなんだろう。私は時折考える。私たち人の営みと、この鯉たちの営みは、どういう違いがあるのだろう。どこにも行けない。どこにも目指せない。口を開けたり閉じたりする。開閉は営みの一環。
水面には私が反射している。私は写真を撮った。雪が一片、池に沈んだ。時間はまた私を置いていく。