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11 73/2003

 路地裏の標識の根元で寝転がっている猫が、小さな背中を伸ばしてあくびをしている。陽の光が当たらないし漏れないその場所で、猫は惰性を謳歌している。路地裏の奥では走行中の白い車の先端が見えていて、ぎりぎり運転席がはみ出ている。そこには影法師のような人物が、猫を無視して直進していった。

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